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SNS投稿で個人情報の特定も 子どもの写真はどうするべき? 専門家が解説
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SNSに子どもの顔写真を投稿する人が増えています。しかし、投稿した写真が思わぬトラブルを引き起こすリスクも。どのような点に気をつければ良いのでしょうか。このほど「SNSの“子ども写真”投稿ガイドライン7つのポイント」を作成した、ピクスタ株式会社の広報担当・小林順子さんに伺いました。
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アンケート結果がきっかけに
小林さんによると、ガイドライン作成に至ったきっかけは、アンケート結果によるものだったといいます。ピクスタ株式会社は、家族・子ども向け出張撮影プラットフォーム「fotowa(フォトワ)」を運営。そのユーザーに役立つ研究調査・サービス開発を行う「fotowa家族フォト総研」を立ち上げました。
その研究調査の一環として2022年12月に、0歳から小学校高学年の子どもを持ち、SNSに子ども写真を投稿したことがある保護者459人を対象にアンケート調査を実施。すると、42%の保護者がなんらかのトラブルを経験していたことがわかったそうです。
もっとも多かったのは「知人のお子さんも写っており苦情を受けた」(36%)、次に「個人情報を特定された」(30%)が続きました。そのほか、「写真を無断使用された」「中傷された」といった答えも。
「お子さんの写真は良い思い出としていつまでも残しておきたいものです。ところが、その写真でトラブルが発生してしまうと、嫌な思い出が付加されてしまいます。せっかくの良い写真でも、見返すたびにネガティブな思いをすることも。そのようなことのないように、SNSに投稿する際はガイドラインを参考にしていただきたいですね」
SNSに子どもの写真を投稿する親の思いとは
そもそも、なぜ子どもの写真をSNSに投稿するのでしょうか。その理由についてもアンケートで調査したところ、「家族や友達に近況を伝えたい」や「子どもの成長の記録として残したい」が半数以上になりました。また、「ママ友・パパ友とつながりたい」といった思いも3割近くあります。
アンケートでは、子どもの写真をSNSに投稿して良かった点についても質問。「孤独にならずに済んだ」や「子どもの写真を褒めてもらえた」という回答が多くを占めました。公開範囲では、一般公開(オープンアカウント)が41.0%、「友達や家族・知人のみ」という限定公開のアカウントが49.5%と、ほぼ半々の結果です。
小林さんは、「子育てをしている人がSNSに写真を投稿することを通して、育児の悩みや子どもを愛おしいと思う気持ちを誰かと共有したり、共感やアドバイスを得られたりするメリットを感じて、孤独な子育てにならず育児の息抜きになっていることがうかがえます」と分析します。
それだけに、SNSに投稿することが育児の楽しみのひとつにつながるよう、気をつけるべきポイントを押さえておきたいものです。