育児・家族

“反抗期”がないケースもある今時の子どもたち それでも思春期に衝突する理由とは

著者:杠 ともえ

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反抗期がない? “今時の子どもたち”と接し筆者が感じたこととは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
反抗期がない? “今時の子どもたち”と接し筆者が感じたこととは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 1982年に出版され、のちにドラマにもなった「積木くずし」。俳優の穂積隆信さんが学校や親に激しく抵抗する子どもと崩壊していく家庭の様子を告白し、大ベストセラーになりました。それから約40年が経ち、親になった筆者。自分の息子が思春期を迎えると、「積木くずし」のイメージが頭をよぎることもありました。ところが、学校の保護者会で先生から意外な言葉を耳に。地域差はありますが、反抗期のない“今時の子どもたち”が増加している理由とは一体どこにあるのでしょう。また、それでも発生する衝突には体の変化が関係しているのだとか。

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親たちが経験した反抗期は現代の子どもに存在しない!?

 数年前、筆者の息子は中高一貫の男子校に入学。筆者自身は男兄弟がおらず、女子高を卒業しています。息子を育てていながら、「男子」についてよく理解していない部分がありました。

 中学受験の前、複数校の説明会に参加しました。とある学校では、「男子校はサファリパークと同じです。休み時間になると生徒が取っ組み合いをしていますが、ケンカではありません。無邪気にじゃれ合っているだけですので、校内を見学中に驚かないでください」と校長先生から“注意喚起”のようなアドバイスも。

 70年代から80年代にかけて、よく耳にした言葉「校内暴力」。もちろん地域差はありますが、中学校や高校では生徒間だけでなく教師への暴力も問題になっていました。しかし、今は校内でケンカが起こること自体珍しいようです。

 そして、息子の合格後に初めて出席した保護者会でのこと。先生が口にした言葉に、保護者から驚きの声が上がりました。

「思春期に特有の反抗期を迎えている生徒は、我が校ではほとんど見かけません。今の子どもはとても素直です。そして、社会や大人に不平や不満を抱いていません。自分のいる環境が心地よく、あえて外に出ようとはしないのです。ニートやひきこもりが社会問題になっています。子どもの自立を促すことが、中高生の親の役割です」

「親はウザイ」は古い? 親は便利な存在

 そうして息子の中学校生活が始まると、先生が語った“反抗期のない子ども”の姿を度々目にする機会がありました。

 授業参観で教室を訪れた時のこと。息子の同級生が「一緒に帰れる? 途中でお店に寄って、夕食を食べよう」とお母さんに話しかけていました。周囲の親がお母さんに「仲が良くてうらやましい」と話しかけると、「息子は自分が好きな料理を食べたいだけよ」と照れくさそうに笑っていました。

 私が中学生の頃は、親と一緒に歩いている姿を友達に見られるだけで気恥ずかしい思いをしました。ところが、今の子どもには「親はウザイ」という感覚がないようなのです。

 それを実感したのは、下校途中の駅で息子と待ち合わせ、映画を観にいくという予定を立てた時です。息子が友達に話したところ「一緒に観たい」という子がいたので、私は中学生3人を連れて映画館に向かいました。

 学校帰りに生徒同士で遊興施設に立ち寄ることは校則で禁止されています。しかし、保護者の付き添いがあれば校則違反にはなりません。先生に出会っても、私が一緒であれば息子たちが注意されることはありません。

 私たちは映画を観終わると、ファストフード店に入りました。そこで「大人が一緒だと、話しづらいでしょう? 私は別のテーブルに座るね」と提案したところ、彼らはきょとんとした表情。むしろ友達の1人が「お母さんが1人では寂しいだろうから、同じテーブルで食べませんか」と逆に提案をしてくれて、子どもたちが気を使ってくれる展開になりました。