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子育て熱心なオスのワシ 雛を育てる姿に米国で感動広がる 「マーフィ頑張れ!」
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多くの鳥が繁殖期を迎える春。巣を作り、抱卵して新たな命の誕生を待つ季節です。3月上旬、米国ではオスのハクトウワシが卵の代わりに岩を温める姿が話題に。「マーフィ」という名の子育て熱心なワシを、多くの人が心配し注目していました。すると、このほど傷を負った雛鳥の里親になることが決まったそうです。
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マーフィの行動に心配の声が相次ぐも…
ハクトウワシは、首から頭の部分が白い羽毛に覆われているのが特徴で、翼を広げると2メートルを超える大型鳥類です。マーフィは翼に障害があって飛ぶことができなくなり、米ミズーリ州バレーパークにある保護施設「ワールド・バード・サンクチュアリ」で暮らしています。
3月上旬、マーフィは地面にシンプルな巣を作り、慎重に岩を温めていました。その様子を見て飼育員は、マーフィが岩を卵だと思い、孵化させようとしていることに気づいたそうです。それを受け、同施設は「マーフィの幸運を祈っていますが、私たちは彼に現実を伝えていません」とフェイスブックに投稿。すぐに拡散され、たちまち話題になったことを米雑誌「サザンリビング」が特集しています。
特集によると、同施設にはマーフィを心配する声が相次いだそう。「マーフィが巣を作り、岩を卵として温めていることを悲しく思うかもしれませんが、これは春に向けたホルモンの反応にすぎません。オスのハクトウワシは子育てへ平等に参加するので、これはオスとしてとても自然な行動なのです」と同施設は説明しています。
飼育員たちは、マーフィが岩に飽きて、やがて温めるのをやめるだろうと考えていました。しかし、マーフィはやめませんでした。熱心に岩を温め続け、それはほかのハクトウワシにストレスを与えるほどだったそう。そこで飼育員は、マーフィを専用の場所へ移さなければならなくなりました。
けがを負った雛の里親に選ばれたマーフィ
そんなマーフィに、子育てをする機会がめぐってきました。なんと、同施設にハクトウワシの雛がやってきたのです。その雛は、木の上にあった巣から嵐によって吹き飛ばされてしまったそう。翼を骨折した状態で運ばれてきたことから、里親が必要だった雛のために選ばれたのがマーフィでした。
同施設はフェイスブックで「マーフィは、ハクトウワシの雛と絆を深める機会を与えられる予定です」と発表。第一段階は、カイロ付きの小さなケージに入った雛をマーフィの囲いの中に入れ、マーフィがどんな反応を見せるかを確認しました。そして、ついに雛とマーフィを隔てていた小さなケージが取りはずされることに。すると、マーフィは最初こそ遠くから雛を見ていたそうですが、1時間後には雛に近づき、その翌朝には雛にエサを与えているのを飼育員が発見しました。
「マーフィはこれから雛との絆を深め、できる限り自然に育てるため、手を出さないようにします。そのため、今後はマーフィと雛の情報を頻繁には更新しません」と同施設がフェイスブックに投稿すると、「とても素晴らしい話」「良いニュースが続きますように」「マーフィ頑張れ!」といった声が続々と寄せられました。
マーフィが本当の父親になる日も、そう遠くはないのかもしれません。雛と一緒に、いつまでも幸せに暮らしてほしいですね。
(Hint-Pot編集部)