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タワマンへの引っ越しで受けた洗礼 隣の部屋の人にあいさつは必要? プロがアドバイス
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
念願のタワーマンションを購入したものの、引っ越す際に、どのように振る舞えば良いのか悩む人もいるでしょう。周囲はお金持ちばかりなのでは……と、気を使う人もいるかもしれません。今回お話を伺ったのは、タワマンに引っ越すなり手痛い洗礼を受けたという女性です。東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんにアドバイスしてもらいました。
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1000円の菓子折りが失敗の元に
昨年春、港区某所のタワマンに引っ越した川端華絵さん(仮名・29歳)は、「なぜこんなマンションに引っ越してしまったのか……」と後悔しているといいます。
祖母から受け継いだ遺産が思っていた以上に多かったため、夫と相談し中古のタワマンを購入。駅から近く、買い物の便が良いこともあり、コロナ禍でも夫とふたり楽しく暮らしていけると信じていました。
しかし、引っ越し早々、手痛い洗礼を受けてしまったのです。
「引っ越しするにあたって、『左右の部屋の人くらいはあいさつしたほうが良いよね?』と夫と話し、会社帰りに1000円程度の菓子折りを購入。それを持って、お隣さんへあいさつに行ったんです。その場ではごく普通に穏やかに『よろしくお願いしますね~』『はいはい、こちらこそ~』みたいな感じで終わり、ホッとしていました」
しかし、しばらくすると、ほかの住人の対応がおかしいことに気づきました。会釈しても反応がない人や、不自然に視線を逸らす人がいて、華絵さんは「あれ? 私、何かやらかした?」と心配になったといいます。
まるで腫れ物に触るような対応が気になっていたある日の夜、マンションのエントランスで同世代の女性に声をかけられました。
「知らないのも気の毒なのでお伝えしますね。あなた方ご夫婦、引っ越しのあいさつで1000円程度の菓子折りを持ってきたけちけちした夫婦って噂になっていますよ」
この言葉に、華絵さんは心底驚いたといいます。
「思わず『ほかの方はどんなものを用意されているんですか?』と聞いたところ、『有名洋菓子店のちょっと大きめの箱とか、老舗和菓子店の羊羹とか……。私はホテルのプレミアムクッキー缶をお渡ししました』と言われたんです」
近年はあいさつをしない人が増えている
このような世界が本当に存在するとは驚きです。そもそも、引っ越しのあいさつはしなければいけないものなのでしょうか。中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんに伺いました。
「最近は、あいさつをする人が減っているように思います。住人関係が密ではなく楽だから、わざわざマンションを選ぶ若い人も増えていますからね。
では、『あいさつをしなくても良いか?』と聞かれたら、私は『ノー』だと答えます。正解はもちろんありませんが、あいさつはコミュニケーションを潤滑にするためのツールのひとつ。しっかりあいさつしておいたほうが、のちのち何か困ったことが起きた場合に『良かった』と思えることもあるでしょう。
華絵さんのタワマンの場合は少しやりすぎているような気もしますが、円滑な人間関係を手に入れたいのであれば、菓子折りひとつでも多少の出費は必要かもしれませんね」
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。