からだ・美容
老け見えの原因・シワを改善するコスメ 購入時に注目すべき成分とは 医師が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
徐々に人前でマスクを外す機会が増え、人との距離も近くなってきました。マスクをしていたときには気にならなかった口元のシワやほうれい線など、老け見えサインが目につくようになり、ケアをしなくては! と焦っている人もいるのでは。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は、老け見えのもと・シワの改善に役立つケア方法を美容形成外科の佐藤卓士医師に伺いました。
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シワの3大原因は乾燥、紫外線、加齢
シワは皮膚の表面にできる筋状の折り目のようなものです。ケアする前に、シワができる原因や特徴を理解しておきましょう。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されています。肌表面が表皮で、その一番外側にあるのが角層です。表皮は異物の侵入や物理的刺激から体を守り、体内から水分が蒸散するのを防ぐ役割があり、これをバリア機能と言います。天然保湿因子(NMFやケラチン、セラミド)によってうるおいが保たれています。表皮は約1か月で入れ替わり、これをターンオーバーと呼びます。
真皮は、コラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質でできていて、肌のハリや弾力を保っています。その線維の間にあるのが、保水力に優れたゼリー状のヒアルロン酸です。これが肌のみずみずしさを保つ役割をしています。
シワの原因としてすぐに思い浮かぶのは加齢でしょう。年齢を重ねると体の機能は低下していきます。肌でいえば、ハリ、弾力を保つコラーゲンやエラスチン、みずみずしさを保つセラミドやヒアルロン酸の量が減少します。すると、それまでピンと張っていた皮膚がたるみシワが出てくるのです。
主に表皮がダメージを受けて、バリア機能やターンオーバーが低下すると浅く細かいシワができます。小ジワやちりめんジワと呼ばれる浅く細かいシワの主な原因は乾燥です。空気の乾燥や生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアによって肌が乾燥すると表皮の水分量が減り、肌が萎縮してキメが粗くなって細かいシワができます。皮膚が薄く乾燥しやすい目元や口元にできやすいシワです。
紫外線も肌の乾燥を招く原因のひとつです。それだけでなく、日常的に紫外線を浴び続けると、真皮にあるコラーゲンやエラスチンが分解されて量が減り、肌のハリや弾力が保たれなくなり、肌がたるんで深いシワができます。