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バナナの保存方法 「いきなり冷蔵庫」はNG おいしい見分け方や食べ方も

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

バナナ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
バナナ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 皮をむくだけで手軽に食べられるバナナ。甘い味わいが幅広い年代から人気です。ただし、気温が上がる季節になるとすぐに追熟が進み、気づけば皮が真っ黒になり傷んでいたという経験もあるでしょう。上手に保存するコツはあるのでしょうか。また、店で選ぶ際においしいものを見つけるポイントとは? 元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

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バナナは低温が苦手 おいしく食べるには常温追熟が基本

 バナナは東南アジア原産の代表的なトロピカルフルーツで、私たちの生活になじみのある果物です。寒い季節は、常温かつ風通しの良い場所で保存しておけばとくに気になりませんが、これから気温が上がってくるとすぐに追熟するので、おいしく食べるには保存への工夫が必要になるようです。

――バナナは常温保存が基本といいますが、買ってきたらどのような場所に置くのが良いでしょうか?

和漢さん(以下同)「日光が当たらない、風通しの良いところが良いでしょう。テーブルなどに接している部分は傷みやすいため、バナナスタンドのようなものがあれば吊るしたほうが良いです。冷蔵庫に入れると皮が真っ黒になることも。トロピカルフルーツなので低温に弱く、13度以下になると低温障害を起こし黒くなってしまいます。また、追熟に必要な温度は約15度なので、いきなり冷蔵庫に入れると追熟できず甘くなりません」

――暑い季節は、バナナを買ってきたらすぐに冷蔵庫で保存したほうが良いと思っていました。

「常温で追熟してから冷蔵庫で保存するほうが良さそうですね。バナナの皮にシュガースポット(茶色の点)ができると追熟した証拠なので、そのタイミングで冷蔵庫に入れると良いでしょう。また、これから暑くなると冷凍バナナもおいしいです。追熟したけれど食べ切れないという場合は、輪切りにして冷凍専用の密封袋に入れ、冷凍保存しておくと長持ちします」

バナナは運動時の補食としてもおすすめ

食べ頃のバナナ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
食べ頃のバナナ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

――おいしいバナナの見分け方はありますか?

「大きく丸みのあるもので、黄色くて傷がなく、付け根がしっかりとしているものがおいしいといわれています。すぐに食べない場合は、軸や皮が緑色のものを選ぶと良いでしょう。常温で追熟させて、全体が真っ黄色になり、皮にシュガースポットができたら食べ頃です」

――バナナの代表的な栄養というと?

「即効性のあるエネルギー補給や集中力の維持・向上の役割を持つ糖質を主成分としています。また、食物繊維やビタミン、ミネラルもバランス良く含むため、普段の補食としておすすめです。筋肉のエネルギー源となるBCAA(分岐鎖アミノ酸)も多く、筋肉の疲労回復にも期待でき、運動時の補食としても使われることもあります」

――バナナを食べる際、相性の良い食材はありますか?

「バナナにはカリウムやマグネシウムが多く含まれているため、熱中症予防にも効果的でしょう。バナナと相性が良いのは牛乳です。バナナに含まれるビタミンB6と牛乳に含まれるトリプトファンが自律神経のバランスを整え、リラックス効果があるセロトニンを合成します。暑い夏は、冷凍した輪切りのバナナと牛乳をミキサーにかけると、シャリシャリとした食感がおいしいですよ」

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾