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サーフボードを強奪する野生のラッコ 恐怖体験が米国で話題に
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水族館のアイドル的存在であるラッコ。つぶらな瞳や、海面にプカプカと浮かんで貝を割って食べる仕草はとても愛らしいものですが、実は怖い一面もあるようです。米カリフォルニア州では、ラッコがサーファーたちを襲ったというニュースが話題に。なんとサーフボードに噛み付き、奪い取ったというのです。凶暴化したラッコの過去にも注目が集まっています。
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ラッコが狂暴化? サーフボードを乗っ取り噛みちぎる
米カリフォルニア州のサンノゼに住むジュン・リーさんは、週末にサーフボードをレンタルし、サーフィンを楽しんでいました。しかし、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」電子版が報じたところによると、セッションを始めて90分ほど経ったとき、ジュンさんは野生のラッコに襲われたといいます。
サーフィン中、近くいたラッコたちは穏やかでフレンドリーそうに見えたため、当初はサーファー全員が「とてもかわいい」と見守っていたそうです。ところが、どこからともなく現れた別のラッコがほかのサーファーに向かって泳いでいき、突然サーフボードに噛み付きました。ボードの一部が噛みちぎられるのを見たジュンさんは驚き、すぐに逃げようとしましたが、そのラッコはジュンさんのリーシュ(サーフボードと足をつなぐ紐のこと)にも噛み付いてきました。
さらに、ラッコがボードに飛び乗って噛み付き始めたため、ジュンさんはボードをひっくり返して応戦。しかし、ラッコは再びボードに乗ってジュンさんに突進してきました。ジュンさんはこのとき、パニックになりながらも、最終的には無事に岸にたどり着くことができたそうですが、恐怖と疲労のどん底に突き落とされたと同紙に語っています。
サーファーを襲ったラッコの奇妙な過去
実は、この周辺では6月中旬頃からサーファーがラッコに襲われる事件が発生していました。そして、ここ最近はラッコの攻撃性がさらに増しているといいます。その原因は、5年前のある出来事と関係していることがわかりました。
実は5年前、事件が起きたサンタクルーズがあるモントレー湾には、人間に餌付けされたためか、カヤックに近づいてくるラッコがいました。その後、そのラッコは捕獲され、保護観察下に置かれることになりましたが、妊娠していることがわかり施設で出産。産まれた子ラッコは母親から引き離され、左足に青いタグを付けられて野生に帰されることになりました。今回、人間を襲ったのはその子ラッコだということがわかったのです。
ラッコが攻撃的になった原因は、今のところわかりませんが、2年前はこのような行動をとっておらず、人間に攻撃的になったのはつい最近のことのようです。サーファーを襲ったラッコは捕獲される予定ですが、最終的にどこへ行くかはまだ決まっていません。ラッコに襲われたジュンさんは、「もうサーフィンはできないだろうし、軽いラッコ恐怖症になってしまった」と語っています。
(Hint-Pot編集部)