銃社会の米国では、ときに動物が巻き込まれる悲しい事件が起こることもあります。米ケンタッキー州では、1歳にも満たないジャーマンシェパードが銃による虐待を受け頭部を負傷。しかし、動物愛護協会のもとで数か月にわたって治療を受けたその犬は奇跡の回復を見せ、新たな家族のもとへと旅立ちました。同協会が報告し、感動を呼んでいます。

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弾道は右目上から下アゴを骨折　数々の手術を乗り越えたマジック

「涙ながらに今日、『またね！』とお別れしました。今年1月に頭に被弾して施設へ来た、かわいいマジックとのお別れです」

　そんなメッセージとともに、ケンタッキー動物愛護協会（KHS）は保護していたジャーマンシェパードの「マジック」が新たな家族のもとへ旅立ったことを公式フェイスブックアカウントで報告しました。投稿には新しい“ママ”のメラニー・パウエル・ギルジーンさんと並ぶマジックの元気な姿が。メラニーさんは「マジックのママ」と書かれた水色のTシャツを着ています。

　マジックはまだ1歳にも満たない今年1月、ケンタッキー州ルイビルで右目上から頭に被弾。銃弾は鼻腔、舌、下アゴを通ったとみられ、そのせいで何度もの手術を受けることを余儀なくされました。リハビリの一環で、やわらかい子犬用の食事を取れるようになるまでは離乳食を食べていたそうです。

　約8か月にわたってケアをしてきたKHS関係者は「弾道から考えると、銃を撃った人間を見上げているときに撃たれたのでしょう」と怒りをあらわに。「人間の手による計り知れないほどの残虐的な行為から、マジックは身体的にも精神的にも復活しました」と、マジックの強さと優しさに脱帽していました。

「本当に魔法のような物語」「永遠のおうちを見つけられておめでとう！」「マジカルなことがマジックにも、そのご家族にもありますように！」など、コメント欄には多くの称賛や旅立ちを祝福する声が寄せられています。

　右目上には銃痕がまだ残っていますが、新しい家族に囲まれたマジックからは笑顔がこぼれ、飛び跳ねるように施設から“卒業”していきました。

（Hint-Pot編集部）