カルチャー
【海外が見た日本人】新幹線を初体験のカナダ人記者 快適な高速移動に「心の底からうらやましい」
公開日: / 更新日:
来日した外国人が見た日本の美徳、素晴らしさとは何か――2021年の東京五輪でコンビニエンスストア愛をSNSで発信し、国際的に反響を呼んだカナダ公共放送「CBC」の名物リポーター、デヴィン・ハーロウさん。来日中に体験した新幹線について、「日本人が世界に誇るべきもの」と大絶賛しています。
◇ ◇ ◇
新幹線の快適な高速移動でタフな日程も充実
世界水泳選手権2023福岡大会の取材で、7月からちょうど1か月間の出張。2度目の滞在となった日本で、強烈な印象を残したのは新幹線です。
まずは経由地から福岡空港に入り、メディアのパスを受け取った翌日に向かったのはカナダ代表の直前合宿地の名古屋でした。
早朝の博多駅で目にした案内表示も丁寧で、外国人観光客でもわかるように、英語で出発時間、プラットホーム、到着駅が細かく表示されています。そして、プラットホームで日本のすごさを感じました。到着した流線形で美しい東海道・山陽新幹線は、予定時刻通り。8時36分発なら、その時間に出発するのです。新幹線だけではありません。東京の地下鉄もそうですが、ここまでの時間の正確さは、ほかの国では望めないでしょう。
初体験の新幹線には、まず圧倒的な速さに感銘を受けました。763キロもの距離ですが、たった3時間10分で到着します。
私の母国・カナダには新幹線のような高速鉄道がありません。生まれ故郷のサスカトゥーンからウィニペグまで同じような距離ですが、こんな高速鉄道はないので、移動するなら8時間のドライブで行くしかないのです。
名古屋への旅は1泊2日で、世界水泳選手権の開幕を迎えた福岡に戻りました。選手のインタビューや企画収録など、詰めに詰め込んだ36時間のタフなスケジュール。便利な新幹線での高速移動が叶わなければ、これほど充実した仕事にはならなかったと思います。
これまで、出張先の世界各地で高速鉄道に乗ってきましたが、車内体験もベストでした。最高時速300キロ近いスピードで、車窓の外の景色は飛ぶように流れていきますが、普通列車のような振動はまったく感じません。シートの座り心地も素晴らしかったです。メールの処理など作業もはかどりましたが、あまりにもスムーズなので気づいたらパソコンをたたんで、うたた寝をしてしまいました。
高価なカメラなどの機材も専用スペースに置きましたが、セキュリティとリスペクトの国柄からなくなる心配をする必要はありません。新幹線移動はストレスゼロの体験でした。
スピード、乗り心地、快適さ、安全性――すべてを兼ね備えている新幹線がカナダにもあれば……と心の底からうらやましく感じます。日本人が世界に誇るべきものでしょう。
(デヴィン・ハーロウ)
デヴィン・ハーロウ(でびん・はーろう)
カナダ公共放送「CBCニュース」の敏腕リポーター。五輪、パラリンピックのスペシャリストで、東京五輪において日本のコンビニエンスストアの素晴らしさをSNSで継続的に発信し、国内外で話題に。X(ツイッター)アカウント(@Devin_Heroux)のフォロワーは7万1000人以上。