どうぶつ
かつての重賞馬たちが水浴び 正反対のリアクションに反響 「みんな違ってみんなかわいい」
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人間が「十人十色」といわれるように、馬の個性もそれぞれです。そんなことを感じさせてくれるのが、かつて重賞を制したマイネルキッツとスズカフェニックス。現在、北海道浦河町の「うらかわ優駿ビレッジAERU」で過ごす2頭の姿が、公式X(ツイッター)アカウント(@aeru_joba)にアップされました。水を浴び、目や耳を忙しく動かして周囲を気にするマイネルキッツと、カメラに興味津々のスズカフェニックスは、同じ水浴びでもリアクションは個性たっぷりです。2頭の最近の様子について、乗馬課の太田さんにお話を聞きました。
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仲良しの2頭 現役時代の活躍距離は正反対
耳や目を終始動かすマイネルキッツと、つながれた紐を甘噛みして遊ぶスズカフェニックス。同じ水浴びをしていても、反応はかなり違います。投稿のリプライ(返信)には、「それぞれの個性が出ておもしろい」「みんな違ってみんなかわいい」「舌ペロが最高ですね」と、2頭に癒やされた人たちの声が並びました。
マイネルキッツは今年6月に同施設に移動してきたばかり。競走馬を引退したあとは、神奈川県内で乗馬用の馬としても活躍し、現在は功労馬として余生を過ごしています。太田さんは「移動してきた初日からスムーズに順応してくれました。性格は、いつもキリッとした表情をしていて、“王子様”のようにちょっとプライドが高めの高貴な印象です」と話します。
スズカフェニックスは、同施設に来てすでに7年が経ちました。功労馬では最年長の21歳。「でも、性格は一番の甘えん坊で寂しがり屋。誰かにかまってほしくて、ヘドバン(頭を上下に揺らす)しながらアピールをします。イケメンなのにほっとけない、かわいい子なんです」と教えてくれました。
仲良しの2頭ですが、活躍した距離は正反対です。マイネルキッツは3200メートルの長距離、2009年の天皇賞・春に勝利しました。一方、スズカフェニックスは2007年に高松宮記念を制覇。こちらは1200メートルの短距離レースです。水浴びではそれぞれわちゃわちゃと楽しそうな2頭の得意としたレースの距離が異なるほか、それぞれの性格を聞くと興味が湧きます。
現在は2頭とも、午前7時の朝食後に放牧地へ。例年は涼しい北海道でも今年は猛烈な暑さということで、お昼前には集牧して厩舎で涼むそうです。ほかには、体調や天候によって放牧しないケースや、過ごしやすい気温のときは午後2時30分くらいまで放牧地にいることもあるのだとか。ルーティンやリズムを崩さないことが大切で、同施設ではストレスがかからない「馬ファースト」を考えた運営をしているといいます。
8月後半は、浦河町でも33度まで上昇するなど記録的な暑さ。馬たちも水浴びで涼みながら、酷暑を乗り切ってもらいたいですね。
(Hint-Pot編集部)