G1馬には、王様のように振る舞うタイプもいれば、他馬や人間に懐くタイプもいます。2007年の高松宮記念で武豊騎手を背に勝ったスズカフェニックスは、明らかに後者のようです。20歳になりましたが、太陽の角度によって黄金に輝く栗毛の馬体は健在。その様子がうらかわ優駿ビレッジAERU（北海道浦河町）の公式ツイッター（@aeru_joba）で公開されると、ファンの間で大きな話題になっています。近況などについて、同施設の太田篤志さんにお話を伺いました。

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「かまって！」とスタッフさんに猛アピール

　G1レースに勝つ馬には、群れを率いるような強いメンタルを持つタイプが多くいます。しかし、スズカフェニックスは人間や他馬が大好き。スタッフさんが付きっきりになることはできませんが、遠くで目が合うと首を上下に揺らし、「かまって！」と猛アピールすることもあるそうです。

　同施設にいる功労馬は、ほぼ同じルーティンで生活しています。午前7時頃から午後2時30分くらいまで放牧ですが、スズカフェニックスが「かまって」アピールをする時は、ちょっと早めに馬房へ戻してあげるそうです。手のかかる子ほどかわいい……かどうかは分かりませんが、ひとまずはアピール成功でしょう。

　うらかわ優駿ビレッジAERUの公式ツイッターは、スズカフェニックスが「早く帰ろう！」とスタッフさんにアピールする動画を公開。「早く！　早く！」と言っているかのように、柵の向こうから首を伸ばして顔を上下させています。カメラが近づくといったん止まりますが、またカメラ目線で「早く！　早く！」の動き。最後は「帰ろうよー！」と首を大きく振り上げます。

　この愛らしい姿には3000件を超える“いいね”が集まり、再生回数はすぐに3万回を超えました。また、リプライ（返信）には「相変わらず愛嬌たっぷりですね」「遊んでほしそう！　かわいい」「初めてお馬さんの気持ちが理解できました」など、早く馬房に帰りたいとアピールする姿にほっこりした人たちからの声が。

　そんなスズカフェニックスに、太田さんも目尻を下げます。

「晩秋なので放牧地の青草が少なくなったり、訪問されるファンも夏場と比べると少なかったりするので、そうなるとかまってほしいタイプのフェニックスからアピールがありますね」