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12年間行方不明だった愛犬が家族の元へ 発見の決め手はマイクロチップ【米】

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

行方がわからなくなっていた愛犬。再会をつないだのは…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
行方がわからなくなっていた愛犬。再会をつないだのは…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ペットのマイクロチップ装着は、世界的に普及しています。思わぬアクシデントが起きて離ればなれになってしまっても、装着されたマイクロチップの情報から、ペットが無事に飼い主の元へ帰れたというニュースを耳にすることも。米アリゾナ州では、幼い頃に行方不明になってしまった犬が12年ぶりに家族の元へ戻ってきました。感動的なストーリーが話題になっています。

 ◇ ◇ ◇

ビションフリーゼのミニオンが裏庭から失踪

 行方不明になっていたのは、アリゾナ州に住むスキップ・クランドールさんの家で暮らしていたビションフリーゼの男の子「ミニオン」。「アリゾナ州の犬が、12年間の行方不明から家族の元に戻る」との見出しで報じたのは、米ニュース専門放送局「FOXニュース」の電子版でした。

 12年前、3人の子どもたちがまだ小さかった頃、スキップさんは当時3歳だったミニオンを引き取りました。とても好奇心旺盛だったというミニオンについて、「彼は素晴らしくてかわいい犬でした。とても遊び心があり、娘のカリーと一緒に寝ていました」と語ります。

 当時、スキップさんの家にはもう一匹、犬がいました。ミニオンがいなくなってしまった日、裏庭の門が誤って開いたままになっていて、ミニオンはその犬と一緒に外へ出てしまったそう。スキップさんは当時の状況について、「一匹は戻ってきたが、もう一匹(ミニオン)は戻ってこなかった」と明かしています。

 スキップさんはミニオンを探し回り、看板も立てて、近所の人たちに探すのを手伝ってくれるよう頼みました。しかし、発見には至らず。「本当に、とても悲しかったです」と、娘のカリーさんは当時のことを振り返ります。

 ミニオンが失踪してから1か月が経過すると、「私たちは、彼に再び会う可能性は低いと思っていました。最悪の事態を想像し、かなり当惑しました」と、スキップさんは希望を失っていたといいます。

12年の時を経て、動物管理職員からうれしい知らせが

 時間が経つにつれて、子どもたちは成長し、新しい犬も迎えました。そしてミニオン失踪から12年経ったある日、スキップさん一家にビッグニュースが届きます。

 スキップさんの妻ローリーさんが知らない番号から電話を受けましたが、勤務中で出られず、留守番電話にメッセージが残っていたそうです。電話をかけてきたのは、マリコパ郡の動物管理職員でした。

「メッセージを残した相手は、ほかの誰も知り得ない情報を持っていたので、きっとミニオンのことだと思いました。そこで、私たちは連絡を取りました」

 スキップさんの電話を応対したのは、同職員のアリッサ・サンフォードさんでした。「野良犬として通報してきた人から、その犬(ミニオン)を迎えに行かなければなりませんでした。そこで私は、現場でいつもしているようにチップをチェックしたのです。コンピューターで情報を確認すると、最後に更新されたと報告されているのは2011年でした」とアリッサさん。あまりにも長い時間が経っていたため、飼い主が同じである可能性もある一方、新しい飼い主に引き取られた可能性もあると考えたそうです。

 アリッサさんはマイクロチップに登録されていた最初の番号に電話をかけましたが、つながらず。もうひとつの番号にかけて、「犬を保護しました。名前はミニオンです。もし彼があなたのものなら、折り返し電話してください」とメッセージを残しました。

 このときアリッサさんは、ミニオンがどれくらいの期間、行方不明になっていたのか知りませんでした。そのため、スキップさんから折り返し電話があり、ミニオンが10年以上行方不明だと言われて驚いたといいます。

長い年月が経っていてもミニオンはすぐに家族を認識

 アリッサさんは、スキップさん家族の元へミニオンを連れていくことになりました。ミニオンはこのとき15歳で、「彼は歳を取っていて動作が遅く、目も曇っていたのでどのくらい見えているのかよくわかりませんでした。歯もあまり生えていないと思います」とアリッサさんはいいます。

 米国の愛犬団体「アメリカンケネルクラブ」によると、ビションフリーゼは好奇心旺盛な犬種で、平均寿命は14~15年。スキップさんは最悪の事態に備えていました。しかし、アリッサさんの車から降りたミニオンの反応を見て驚きます。

「ミニオンは私たちを認識すると、シッポを振り始めました。彼は小走りで歩き回り始め、すぐに家の中に入ってほかの犬たちと遊び始めました。すごかったです」

 アリッサさんによると、ミニオンが家族を見たとき「すぐにボディランゲージが変わった」そうです。「私たちは難しい事件をたくさん抱えているので、現場で『所有者に返す』状況があるのは本当にうれしいことです」と、“幸せな再会”に立ち会えたことを喜んでいます。

「彼には気をつけなければならないことがいくつかありますが、我々にはまだいい時間が数年残っていると思う」とスキップさん。また、「彼らは首輪を失う可能性があるが、チップを失うことは決してないので、これは非常に重要です。それがなかったら、私たちは彼を見つけることはできなかったでしょう」と、マイクロチップの重要性を伝えています。

(Hint-Pot編集部)