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管理栄養士に聞く ストックしておきたい缶詰と乾物 食べ方のコツや栄養

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:森川 有子

切干大根(写真はイメージです)【写真:写真AC】
切干大根(写真はイメージです)【写真:写真AC】

切干大根や干ししいたけ 日光を浴びると生よりも増す栄養価も

――乾物ですが、かさばらずに保存性が高いので買い置きしておきたいですね。
「そうですね。乾物は素材の水分を抜き、乾燥させているので、素材のうまみが凝縮していて、どんな料理にも合わせやすいです。さらに、常温で保存できるというのも大きなメリットです。何種類か常備ストックしておけば、いざという時も備蓄にもなります。私は非常時用に乾物や缶詰を常備しています。水分が抜かれているので重量あたりの栄養価が凝縮されて高くなることも特徴です。また干ししいたけや切干大根など日光を浴びて栄養価が増すものもあります」

――しいたけや大根など、生と乾物ではどう違うのでしょうか?
「しいたけは紫外線を浴びて干ししいたけになることで、独特の香りと旨みが生まれるだけでなく、エルゴスチンという成分がビタミンDに変化して、カルシウムの吸収を助ける働きをします。また日光を浴びた切干大根では、生大根と比べるとビタミンCは減りますが、たんぱく質、炭水化物、食物繊維、カリウム、カルシウム、葉酸などの栄養価が増すことが確認されています」

――乾物というと「だし」で和風のイメージですが……
「素材そのままの乾物は比較的クセがないので、さまざまな調味料に合せやすく、和風だけでなく、洋風、中華風にも実はアレンジしやすいです。乾物には、うまみ成分のアミノ酸も豊富。昆布に多いグルタミン酸は、どんな食品にもある程度は含まれていますが、なかでも昆布、チ-ズの含有量は断トツです。切干大根にも多いです。カツオ節には、イノシン酸が含まれていて肉魚などの動物性のものに多く含まれるうまみ成分です。カツオ節のほかにも煮干しにも多く含まれています。また、干ししいたけに多いグアニン酸は、キノコ類に多く、のりにも比較的多いことがわかっています。日常的に上手に活用しつつ備蓄しておきたいですね」

(Hint-Pot編集部)

森川 有子(もりかわ・ゆうこ)

管理栄養士、ダイエットコーチ、薬膳アドバイザー。
栄養相談室・有美食工房(https://www.atelier-y.jp/)代表。自らの過酷なダイエット生活の経験がきっかけとなり栄養士の道へ。2000年シドニー五輪では現地パーク内レストランでスタッフとして勤務。その後、運動・栄養・休養の3つの健康の柱を軸に、カウセリング、コーチングのスキルも習得。テレビやラジオ出演、雑誌の執筆など幅広く活躍。企業、個人に向けてのウェイトコントロールのコンサルティング、スポーツ選手や芸能人に対してダイエットコーチングも行う。森川千有として女優としても活動。