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どうぶつ

痩せ細った地域ねこが“第二の人生”へ 極限状態から救われた姿に「涙腺崩壊しそう」の声

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

心が痛むほど痩せ細ったおうくん。現在の飼い主さんの手厚いケアで、ごはんを口にできるまでに回復(画像はスクリーンショット)
心が痛むほど痩せ細ったおうくん。現在の飼い主さんの手厚いケアで、ごはんを口にできるまでに回復(画像はスクリーンショット)

 雨風にさらされ、十分な食料にも恵まれない環境で生きる地域ねこは、数々の持病を抱えていることも少なくありません。しかし、温かな手を差し伸べれば助かる小さな命があります。今回は、体調不良から骨が浮き出るほど痩せ細ってしまった元地域ねこが人間に保護され、愛情に包まれて暮らしていくなかで見せた変化を紹介。痩せ細った体で懸命にごはんを頬張る姿が、多くの人の心を揺さぶっています。飼い主さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

子ねこがごはんを食べに来ていると思っていたら…

 骨が浮き出るほどガリガリに痩せ、被毛はツヤを失いバサバサ――これは、3年前に撮影された茶トラねこ「おう」くんの姿です。もともと地域ねこだったおうくんと飼い主さんが出会ったのは、動画が撮影されたのよりも1年半ほど前、2019年のことでした。

 実は、おうくんと出会う少し前、飼い主さんの自宅玄関先には、粗大ゴミとして出したカーペットを寝床にしていた白黒の子ねこがいました。飼い主さんはその子ねこが冬を越せるよう、カーペットの代わりに段ボールを設置してあげたそうです。

「これから冬で寒いだろうなと思い、物置小屋に段ボールと古着、ごはんを置きました。しかし子ねこはいなくなってしまい、姿を見かけることはありませんでした。その後、段ボールは片づけましたが、また来るかもと思いごはんだけは置き続けていたところ、食べている形跡があったんです。そこで、ごはんの置き場所を少しずつ家の中から見える位置にずらしていったところ、食べていたのはあのか細い子ねこではなく、太った大きい茶トラねこであることがわかりました」

 その茶トラねここそが、おうくんだったのです。こうして、おうくんと飼い主さんの交流がスタート。当初、おうくんは警戒心が強く、人間の気配を感じるとすぐに逃げていました。ところが、あまりに居心地が良かったのか、飼い主さんの家の物置小屋によくやってくるようになりました。

 すると、飼い主さんの心境にも変化が。それまでは、おうくんのことを遠くから見守っていましたが、「もっと仲良くなりたい」という思いが芽生えます。飼い主さんはインターネットでねこの生態について学び、もっと仲良くなれる方法を模索しながら、おうくんと少しずつ距離を縮めていきました。

突然の食欲不振でふっくらしていた体がガリガリに

 出会いから1年以上が経過した2020年の夏頃、おうくんはようやく飼い主さんへの警戒心を解き、スリスリしてくれるまでに。飼い主さんは「おうくんをお迎えしたい」と思うようになりましたが、繊細で怖がりなおうくんの性格を考え、ゆっくりタイミングを見計らうことにしたそうです。

 しかし、冬が間近に迫る頃、おうくんの体調に変化が現れます。ごはんに一切、口をつけなくなったのです。飼い主さんは、玄関風除室にファンヒーターとこたつを設置しますが、体調不良になったおうくんは再び飼い主さんを警戒するようになりました。

 おうくんはこたつから出てこなくなり、飼い主さんが近づくと逃げるように。ごはんを無理に食べさせるわけにもいかず、なす術もなくただ見守る日々が2~3か月ほど続きました。

「とにかく食べないと死んでしまうので、食いつきのいい液状おやつなどいろいろなものを買って試しながら、心の休まらない日々を過ごしました」