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レンコンは皮ごと食べても大丈夫? 料理のポイント メリットやデメリットを栄養士が紹介

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

秋から冬にかけて旬のレンコン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
秋から冬にかけて旬のレンコン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 秋から冬にかけて旬となるレンコン。ハスの地下茎が肥大した部分を食用としています。皮つきのものが店頭に出回りますが、皮はむいたほうが良いのでしょうか? それとも皮つきのまま食べても問題ない? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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皮には栄養も 料理によって向き不向きが

 レンコンは皮ごと食べても問題ありません。丁寧に水洗いをして、皮ごと調理しましょう。レンコンには、ビタミンCや食物繊維、カリウムやポリフェノールなどの栄養成分が含まれており、皮にも含まれるといわれています。そのため、皮ごと食べることで栄養メリットも。

 皮の部分は硬さがあるので、実よりもシャキシャキとした食感が楽しめます。きんぴらや炒め物、天ぷらなどは皮のまま調理すると歯ごたえ良く仕上がるでしょう。よく噛む必要があるので、満腹感も得やすくなるはずです。

 その反面、煮物などには不向きです。皮があることで味が染み込みにくく、硬さが目立った仕上がりになることも。見た目もきれいに仕上がりません。また、硬い皮は消化が悪く、胃腸に負担がかかります。お子さんや高齢者向けの食事を作るとき、または胃腸が弱っているときは、皮をむいて調理したほうが良いでしょう。ピーラーを使えば均一にむけます。

皮に傷や色ムラのないものが新鮮 保存は冷蔵でも冷凍でも

 レンコンを選ぶ際は、皮の表面に傷や色ムラがなく、ツヤがあるものが新鮮です。形は全体的にふっくらとしたものを選びましょう。レンコンには節があり、いくつも連なった形をして育ちます。店頭に並ぶものはカットされているものが多いのでわかりにくいのですが、根がついているものが1節目で、やわらかいといわれています。3節目など後ろのほうになると歯ごたえが出てくるので、機会があればぜひ確認してみてください。

 泥つきのレンコンを手にいれた場合は、キッチンペーパーなどを湿らせて包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しておくと日持ちします。カットして売られているものは傷みやすいので、早めに食べ切るほうが良いですが、保存する場合はラップでしっかりと包んで冷蔵庫の野菜室へ。

 切り口が黒っぽく変色してしまう原因は、ポリフェノールの一種であるタンニンが酸化したためです。傷んでいないので食べることはできますが、気になる場合は薄く切り落として使いましょう。傷んだレンコンはぬめりや汁が出る、または変な臭いがします。こういった状態の場合は食べないようにしてください。

 すぐに食べ切れない場合は、冷凍保存も可能です。買ってきたレンコンを水洗いし、酢水にさらしたあと、キッチンペーパーで水気をしっかりと取ります。ぴっちりとラップに包み、冷凍専用の密封の保存袋に入れて冷凍庫へ。使う場合は、冷凍庫から出して常温で数分置きます。包丁で切れる程度になったら、適度に切って調理しましょう。切り方でシャキシャキ、ホクホクの食感を楽しめるレンコンですが、酢水に浸けたものはホクホク食感にはならないのでご注意を。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾