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ごはんにプラスしたい食材は? 白米に不足しがちな栄養を補う方法 栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

炊きたての白いごはん(写真はイメージ)【写真:写真AC】
炊きたての白いごはん(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 食欲の秋、新米の季節がやってきました。日本人の米離れが指摘されるなか、国内外ではおにぎり店が人気を呼ぶなど、ごはんの魅力が再認識されているようです。炊きたてのごはんをよりおいしく楽しむため、いまさら聞けない白米の栄養など、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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白米の栄養とは 玄米との違いも

 日本人の食生活を古くから支えてきたのが、米です。稲作は、弥生時代の頃には伝来していたようで、古代の人々は収穫した米を籾(もみ)のまま焼いて食べていたとみられています。現在、日本で主に食べられている米は、短く丸みを帯びた形で粘り気が特徴の「ジャポニカ米」。品種改良でたくさんのブランド米が登場しています。

 白米とは精白米のことで、収穫された稲の実から籾殻やぬか層、胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)部分だけを残したもの。ちなみに、玄米は稲の実から籾殻だけを取り除いたもので、茶色っぽい色はぬか層がついているためです。

 約75%が炭水化物の米。炭水化物は、エネルギー源になる糖質と消化されず体の調子を良くする食物繊維に分けられます。糖質は体内でブドウ糖に分解されてエネルギー源に。粒のまま食べることができるため、パンや麺類に比べると消化吸収がゆっくりと進むことから、腹持ちが良いといえるでしょう。脂質は少なく、たんぱく質を6~7%含みます。

白米に不足しがちな栄養をプラスしておいしく食べる

 ただし、白米は精白により、玄米に比べると脂質、リン、ビタミンB1、食物繊維が大幅に少なくなります。栄養バランスの良い食生活にするためには、エネルギー源のごはんを主食にして、さまざまな食材を主菜や副菜に取り入れることが大切です。とくにたんぱく質、ビタミンB1、食物繊維が不足しがちなので、プラスしていくと良いでしょう。

○たんぱく質
 あらゆる細胞の原料となる、体の構成に欠かせない最も大切な栄養素です。白米はたんぱく質の組み立てに欠かせない必須アミノ酸のリシンが少なく、理想的なアミノ酸組成を100として「精白米のアミノ酸価」は93です。たんぱく質が豊富な肉や魚、卵、納豆や豆腐などの大豆製品などを主菜にして、栄養価をアップさせましょう。

○ビタミンB1
 糖質のエネルギー代謝に欠かせない補酵素です。欠乏すると末梢神経や中枢神経が冒され、脚気になることで知られています。脚気は昔の病気のように思われがちですが、偏った食生活でいると現代でもリスクが。ビタミンB1を多く含む食材には、豚肉があります。日本食品標準成分表2020年版(八訂)で比較すると、赤肉や脂身のないヒレやももの部位がとくにおすすめです。そのほか、ウナギやタラコ、ぬか層を活用したぬか漬けなどがあります。

○食物繊維
 腸内環境を整えるほか、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病予防で知られる成分です。ゴボウやブロッコリー、オクラなどの野菜をはじめ、海藻類、シイタケなどキノコ類にも多く含まれます。食後のデザートとして、今の季節なら洋梨やリンゴ、柿などの果物類を食べるのも良いでしょう。

 ごはんなどの主食に「一汁三菜」が基本ですが、準備が難しい場合は、おにぎりにたくさんのおかずを具材として入れてしまいましょう。みそ汁を野菜たっぷりの具だくさんにすると手軽です。おいしい新米を存分に楽しみましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾