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減量中に白いごはんを食べるなら…栄養士が教える賢い食べ方 玄米・雑穀米との違いも

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

新米がおいしい季節(写真はイメージ)【写真:写真AC】
新米がおいしい季節(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 新米が出回る時期です。炊きたての白いごはんをおいしくいただきたい反面、糖質やカロリーが気になり、つい控えてしまうことも。減量中は玄米や雑穀米にするといった工夫もよく耳にしますが、実際は何が違うのでしょうか。それぞれのメリットや、減量とごはんの関係などについて、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

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精白米・玄米・雑穀米の違いとは

 古くより日本人の食生活とつながりが深いお米。弥生時代の頃には伝わってきたとみられ、古代の人々は収穫した米を籾(もみ)のまま焼いて食べていたとか。

 現在の日本で食べられているお米は「ジャポニカ米」といわれ、短く丸みを帯びた形と粘り気が特徴です。また品種改良がどんどん進み、多くのブランド米が登場しています。

 ごはんとして食べるお米といっても、精白米や玄米、雑穀米など、さまざまな種類があります。精白米は、収穫された稲の実から籾殻やぬか層、胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)部分だけを残したものです。一方、玄米は稲の実から籾殻だけを取り除いたもの。玄米の茶色っぽい色は、ぬかが付いているためです。

 雑穀米は、雑穀を精白米に混ぜたものです。一般的に雑穀とは、アワやヒエ、キビ、ハト麦、もち麦、キヌア、アマランサスなど。店頭に並んでいる商品はブレンドされたものが多く、赤米や黒米などの古代米や黒豆、小豆などの豆類が入っていることもあります。

炭水化物と糖質は別物 適切な量を摂ることが大切

糖質やカロリーが気になるごはん(写真はイメージ)【写真:写真AC】
糖質やカロリーが気になるごはん(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 減量の話題でよく登場する言葉に「糖質制限」があります。糖質と炭水化物を同じものと考える人も多いようですが、実際は別物です。炭水化物から(エネルギーにならない)食物繊維を除いたものが(エネルギーになる)糖質。つまり、糖質は炭水化物の一種です。

 糖質を摂取すると、体内で消化吸収されてブドウ糖になり、血液に入ると血糖値が上がります。すると膵臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌され、血糖値を一定に保ち、また筋肉などの各臓器に運ばれてエネルギーとして使われるようになります。

 ただし糖質を過剰に摂ると、余ったブドウ糖は肝臓や筋肉の他、脂肪細胞にも運ばれ、中性脂肪として蓄えられます。そのため、糖質を過剰摂取しないことは大切。しかし何よりも、五大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランス良く摂ることが必要不可欠です。

 また、カロリーとはエネルギーの単位です。エネルギーとは生きていく上で欠かせないもの。農林水産省が推奨する「1日に必要なエネルギー量と摂取の目安」によると、活動量の少ない成人男性で2200キロカロリーにプラスマイナス200、成人女性で1400~2000キロカロリー程度ですが、人によって体型や活動量、基礎代謝量などは異なるため、あくまでも目安です。

 摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る生活が続くと、体重が増えます。つまり、減量という観点からは、エネルギーを過剰摂取しないようにバランスの良い食事を心がけることが大切になるのです。