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お米の計量にカップNGの理由とは 浸水は冷蔵庫で 五つ星お米マイスターの炊飯テク

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

5つ星お米マイスターの松下祐さん【写真:小林靖】
5つ星お米マイスターの松下祐さん【写真:小林靖】

 日本の食卓に欠かせない、炊きたてのごはん。これがおいしいとそれだけで幸せになれる気がしませんか? 究極の土鍋炊きごはんでグルメから絶大な人気を集める「米料亭 八代目儀兵衛」。京都・祇園と東京・銀座で2店舗をかまえる同店は、お米のトータルプロデュース事業を展開する京都の老舗米穀店が運営しています。その取締役COOで、五つ星お米マイスターでもある松下祐さんに、おいしいごはんの炊き方を伝授していただきました。

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とぐ時は、赤ちゃんを扱うように優しく丁寧に

 一般財団法人 日本米穀商連合会が主催し、お米に関する専門職に従事した経験のある人だけが受験できる「お米マイスター」。「お米の博士号」とも呼ばれる権威ある資格です。ランクは三つ星と五つ星の2つがあり、五つ星は全国にわずか449名(2021年11月現在)。

 その1人である松下さんによると、おいしいごはんの炊き方には手順ごとに細かなポイントがあるそうです。

【1. お米を計量する】
 カップを使う人も多いと思いますが、お米の種類や粒の大きさなどにより差があるので、できればキッチンスケールで量りましょう。1合は150グラム。家族4人分で3合炊く場合は450グラムです。このひと手間がおいしさにつながります。

【2. お米を洗う】
 お米を大きめのボウルに入れ、素早く水を注いでサッとすすぎます。その後はすぐに水を捨ててください。お米についている汚れやぬかを取り除くために洗うので、水を吸収してしまう前に手早く洗いましょう。

【3. お米をとぐ】
 水を切ったお米を手で握ってから離します。これを3合なら50回繰り返しましょう。赤ちゃんの手をギュッと握るような感覚で優しく握るのがコツ。現在は精米技術の発達によりぬかがそれほど残らないので、ゴシゴシとお米をこすり合わせるようにとぐ必要はありません。あまり強くといでしまうとお米が割れてしまい、炊き上がりがべたついてしまうので要注意。

赤ちゃんの手を握るような感覚で優しくとぐ【写真:小林靖】
赤ちゃんの手を握るような感覚で優しくとぐ【写真:小林靖】

 お米をとぎ終えたら、水を入れて流します。3回繰り返してください。炊飯ジャーの内釜を使ってとぐ人も多いと思いますが、僕のおすすめはプラスチック製のボウルとザル。金ザルはお米がぶつかって割れてしまうことがあるので、当たりのやわらかいプラスチック製がおすすめです。