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五つ星お米マイスターがやっている本当においしいお米のとぎ方、炊き方

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:西島 豊造

写真はイメージ【写真:写真AC】
写真はイメージ【写真:写真AC】

 ごはんがおいしい季節です。炊飯器でスイッチオンすれば簡単に炊けますが、基本的にごはんはお米と水しか使わない、いたってシンプルなもの。お米の品種によって味の違いもさまざまですが、「お米のおいしさを引き出すのは水ととぎ方につきます」と語るのは、五つ星お米マイスターの西島豊造さん。しかも意外に勘違いしている点もあるといいます。たとえばザルでお米をしっかりといだり、ザル上げしたり、ついやっていませんか? これって実は「ひと昔前」のこと!? おいしいごはんのためのお米のとぎ方、炊き方を教えていただきました。

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ザルとぎ、ザル上げ、うっかりやっているNGポイントも

 お米を炊く前になぜとぐのでしょうか? お米の表面に「薄く傷をつける」ためで、わずかな傷をつけることで、ぐっと水分が浸透しやすくなるからだといいます。同時に、これで「おいしさ」を邪魔する、くさみの元となる糠(ぬか)を取ることもできるからだそうです。

 だからといって、お米を手のひらを使ってギュッギュッととぐというのは「実はひと昔前のお話」だと西島さんはいいます。今は精米技術の進歩でお米に糠がほとんど残っていないうえ、やわらかい品種のお米が多くなっているため、やさしくとぐだけで良いそうです。

「目安としては、ソフトボールを握るように広げた指をお米に差し込み、シャカシャカと音がする程度のスピードと摩擦を起こしながらかき回すようにします。強くとぐとお米の表面が必要以上に削られてしまって、米粒が割れたり、炊き上がりがベタついたりする原因になります。また、お米の旨味は米粒の表面にあるため、とぎ過ぎるとおいしさも失われます」

 さらに、うっかりやっているNGポイントを西島さんは次のように指摘します。

〇ザルとぎ、ザル上げ
「一升くらいとぐ場合はザルとぎが良いですが、1~5合の場合は、ザルとぎをしないほうが良いでしょう。とぎ過ぎてしまうばかりか、ザルの網目に米粒が刺さってしまって割れたり砕けたりしてしまいます。また、といだお米をザル上げすると、お米がどんどん乾燥してしまい、本来割れなくてよいはずのお米まで割れてしまいます。その結果、炊き上がったときに、お釜の下の方のごはんが糊のようになってしまうことがあります。もし、正確に水加減を測るためにザル上げをしたい場合は、5分程度にとどめましょう。それ以上になる場合は、濡らした布巾でザルを完全に覆ってください」

〇透明になるまでとぐ
「といだ後の乳白色の水には、お米のでんぷんが染み出ています。水が透明になるまでといだりすすいだりすると、お米のコシがなくなるだけでなく、でんぷんが失われてしまい、旨味のないごはんになってしまいます」