どうぶつ
両右足を失った子ねこを保護 「どんな状態でも最後まで責任を持つ」 献身的なケアですっかりグルメに成長
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ねこがよく見せる仕草のひとつ、砂かけ。ねこには獲物や食べ物を隠す習性があり、その延長の行動だといわれています。今回ご紹介するのは、ハッシュタグ「#スープのお残し始めました」とともにX(ツイッター)で公開された動画。スープに口をつけず、失った前足で砂かけをするねこが映っています。当時の状況について、飼い主さんに詳しいお話を伺いました。
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「いつの間にかグルメに…」 出された食事を“ないない”
「いつの間にかグルメになってしまったおねこ様がこちらでございます」
ハッシュタグ「#スープのお残し始めました」とともに投稿された動画には、右の前足と後ろ足を失くした茶トラねこの姿が。食事に出されたごはんのスープに、失った右前足で砂かけをするような仕草をしています。
この様子がXで公開されると、4000件に迫る“いいね”を集めました。
リプライ(返信)には、「うちも飽きっぽくて。飼い主はフードジプシーです」「かきかきすごくかわいいです……!!」「ないないしてる」「おいしくな……い……カキカキかなあ。上手にカキカキしてるよ」など、ねこ“あるある”な行動に多くの声が寄せられています。
愛犬との散歩中、思いがけない出会い 両右足に重傷を負った子ねこを保護
話題になったのは、元保護ねこで茶トラねこの「にゃんちゅー」くん。NHK Eテレに登場するパペット人形のキャラクターから拝借したお名前だそうです。
「いつも通る道の駐車場に車が停められているのですが、その車内に置かれているぬいぐるみを『かわいい』と思って見ていたことが名付けのきっかけになりました。にゃんちゅーをお迎えしたのとほぼ同じタイミングでその車を見かけなくなったので、不思議に思っています」
にゃんちゅーくんとの出会いは偶然でした。今は亡き先住犬との散歩の最中、飼い主さんは道路脇の排水溝の中に、子ねこだったにゃんちゅーくんを発見。うずくまっていたところを急いで抱き上げると、右後ろ足が根元から欠損しており、右前足は骨がちぎれて少しの皮でつながっている状態でした。
「そのまま病院へ向かい、即入院になりました。衰弱が激しく、重度の貧血もありましたが、幸いにも少しずつ回復。右両足の切断手術を受けたのちに、我が家にやってきました。『どのような状態の子であっても、最後まで責任を持つ』と決めていたので、保護することに迷いは一切ありませんでした」
献身的なケアで、すっかり元気になったにゃんちゅーくん。飼い主さんは、にゃんちゅーくんの負担を極力軽減し、安全に暮らしてもらえるよう日頃から気を配っています。
「走りやすいよう床にはラグやマットを敷き、こまめに滑り止めワックスをかけています。家の中にある段差はなるべく低くし、高いところに上がれないようにしていますが、知らぬ間に上がっていることも……。そのときは、抱っこして下ろしてあげています」