カルチャー
人気の下町を散策する“日本通”なフランス人 お気に入りの和菓子店で印象に残った食べ物とは
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日本に大きな魅力を感じ、何度も訪日する外国人観光客のなかには、日本人が普通に暮らす街や、日本らしい生活を感じられる場所を求める人も少なくありません。近年、たくさんの外国人を惹きつけているのが、東京の下町エリアのひとつ、“谷根千”。とくに人気の谷中銀座商店街で出会ったイタリア人女性は、お気に入りの店があるほどの和菓子好きで、春に来日した際には旬の食材を使った和菓子を食べたそう。いったい、どんな和の味わいを楽しんだのでしょうか。
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「谷中、根津、上野まで、ちょうどいいお散歩コース」
下町の風情を色濃く残す東京・谷中銀座商店街で出会ったのが、2017~2021年に日本で暮らした経験を持つというイタリア人ミケレさんと、来日3度目のフランス人アプリケさんのカップル。今回は2か月半ほど、日本に滞在する予定なのだといいます。
ふたりがこの日、谷中銀座商店街に来たのは、アプリケさんが好きな街だからだそう。アプリケさんがこの街を気に入った理由を明かしてくれました。
「初めて日本に来たときにこのあたりを訪れて、とても新鮮だったの。小さな路地がたくさんあって、静かで。日暮里駅の近くにある谷中霊園がとても素敵。谷中、根津、上野までちょうどいいお散歩コースなの。それに隠れ家っぽい雰囲気もまたいいのよね」
台東区谷中、文京区根津、千駄木の周辺、通称“谷根千”と呼ばれるエリアには古い街並みや路地裏が残り、下町情緒を味わえることから人気の散策スポットになっています。近年は外国人観光客も一気に増え、谷中銀座商店街では地元の人と同じように、買い物を楽しむ外国人の姿が多く見られるようになりました。
また、アプリケさんが「とても素敵」と語る谷中霊園は、敷地面積が10万平米を超える緑豊かな霊園。春にはたくさんの人が霊園内の桜並木を訪れます。また、徳川十五代将軍の慶喜公や、日本画家の横山大観氏、実業家の渋沢栄一氏など、数多の著名人が眠る墓所として参拝する人が絶えない場所です。
フランス人のアプリケさんが「このあたりや浅草はとても好き」な理由
生活感がありながら風情を感じる街というだけでなく、アプリケさんが谷中エリアを気に入っている理由は、ほかにもあるといいます。
「私はおせんべいとかお餅、和菓子も大好きだから、このあたりや浅草はとても好き」、そう言って見せてくれたのは、つきたてで食べたというお餅の写真。
和菓子が大好きだというアプリケさんは、お気に入りの和菓子店まであるそう。
「中目黒に大好きな和菓子店があるの。春に来たときに、そこのイチゴ大福を食べたわ。わらび餅も絶品だった」
1980年代にできたイチゴ大福。当初は、“和菓子と言えるのか?”といった声もありましたが今ではすっかり定番となり、ほかの果物を使ったフルーツ大福が流行するなど、和菓子として定着しました。
クリスピーなせんべいや、なめらかさがあるお餅は、食感から気に入る外国人も多いですが、和菓子特有のあんこについては“豆が甘いのは、ちょっと……”と、好みが分かれることも。さらにフレッシュな果物の甘酸っぱさが加わるイチゴ大福を挙げるのは、かなりの和菓子好き外国人といえそうです。
季節の味わいを楽しめるのも、和菓子の素敵なところ。今回の滞在でも、大好きな和菓子をたくさん堪能してくださいね。
(Hint-Pot編集部)