喜ばしくて楽しいことは多いけれど、大変なこともたくさんある子育て。そんな育児の悩みを描いた漫画は、2023年もSNSで注目を集めました。「Hint-Pot」で紹介したなかでも、とくに反響が大きかった3本をご紹介しましょう。公共交通機関で赤ちゃんと移動するママへの思いやりや、ワンオペ育児など、社会問題としてたびたび話題になるテーマを中心に話題になりました。

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電車内でぐずり始めた赤ちゃん　焦るママを助けた男性の行動とは？

電車で赤ちゃんが泣き始めた　焦る母を見つめる男性　不穏な空気が一変する漫画に反響

作者：赤信号わたる（@GoAkashin）さん

　SNSなどでユーモアあふれる漫画を発表している、漫画家の赤信号わたるさん。たくさんの反響があったのは、電車をテーマにした創作漫画です。作品は、電車内で赤ちゃんがいきなり泣き始めてしまい、女性が困っているシーンから始まります。すると、隣に立っているいかつい風貌の男性が、親子を見つめながら舌打ち。そして、「おい、あんた！」と大きな声を上げました。

　自分に言われたのではと、体が震える女性。しかし、男性が声をかけたのは、その女性の前で2人分の座席を使って居眠りしている、スキンヘッドの男性に対してでした。「ママさんが大変そうだろうが！　譲れとまでは言わんが少し席を詰められんねぇかい!?」と男性が声を上げると、スキンヘッドの男性は目を覚まして「なんだとぉ～!?」と対抗。そして、ふたりの間で繰り広げられた予想外のやりとりは、多くの人の笑いを誘いました。

　この漫画は反響を呼び、X（ツイッター）上で2.8万件もの“いいね”が。リプライ（返信）には「ありがたい“あるある”」「見た目はワルだけど優しい」「こんな世界であれ……」「なんかほっこりした」などの声が寄せられています。

仕事と育児の両立にひとりで悩み…抱え込んでしまった親の悲しすぎる末路

フルタイム勤務後に育児…ノイローゼになる父親を描く漫画へ共感続々　「歩み寄りが大切」

作者：オニハハ。（@onihaha007）さん

　3人の子どもを育てながら、SNSで自身の子育て体験や家族との日常を漫画に描いて発信しているオニハハ。さん。反響を呼んだ作品は「父親の育児ノイローゼ」をテーマに描いた創作漫画です。

　主人公は、乳児を育てるパパ。妊娠中に独断で仕事を辞めてしまった妻からは、ことあるごとに責められ、会社では育児に対する理解が得られず、上司からも心ない言葉を投げかけられます。

　フルタイムで働きながら、妻の要望に応え、夜間は赤ちゃんの面倒を見る男性。十分な睡眠を取れない日々が続き、しだいに職場での居場所もなくなり、家族を養うことへのプレッシャーから育児ノイローゼぎみになっていきました。そして、周囲からの言葉や妻からの「離婚されたいの？」のひと言で、とうとう体力的にも精神的にも限界に。そして、背筋がゾッとするようなラストを迎えます。

　2つのポストにわたって投稿された漫画は、合計で3万件を超える“いいね”を集めました。リプライ（返信）には、「苦しいほど気持ちわかります」「歩み寄りが大切ですね」「お互いを尊敬し合うのが大事」など共感の声が続出しました。作者のオニハハ。さんはこの作品を通して「『やって当たり前』という言葉をよく聞くので、『感謝』や『思いやり』の大切さを少しでも感じてもらえたらなと思います」と語っています。