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加湿器に水道水以外がNGな理由 いまさら聞けない正しい使い方 プロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:本多 宏行

冬の必需品・加湿器。正しい使い方とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
冬の必需品・加湿器。正しい使い方とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 気化式やスチーム式、ハイブリッド式など、さまざまなタイプがある加湿器。風邪対策や、体感温度が上昇するなど、さまざまなメリットがありますが、なかには消費電力が大きいものも。選ぶときは、どんなことを意識すれば良いのでしょうか。また、使用するときに注意することとは? 電化製品の延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパン株式会社の総合家電エンジニア・本多宏行さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

しっかり加湿するならスチーム式かハイブリッド式を

 乾燥が気になる冬。体調管理のためにも加湿器を利用したほうが良いですが、種類が多すぎて迷ってしまいますよね。また、電気代高騰が続くなか、消費電力の違いも気になります。

「消費電力が圧倒的に小さい方式は、気化式でしょう。空気を送るためのファンモーターに電力は必要となりますが、それ以外は極小ですから電気代も安価となります。

 一方、消費電力が圧倒的に大きい方式はハイブリッド式であり、熱源のヒーターやファンモーターで大きな電力を必要とします。しっかり加湿しつつ節電するという御題目はとても難儀でしょう」

 つまり、加湿器を選ぶ際には、何を優先するのか決めるのが良いとのこと。

「しっかり加湿したいのであれば、効率の良い加湿が望めるスチーム式あるいはハイブリッド式がおすすめです。無論、省エネ運転が備わっているものを選択すれば気化式まで望めなくとも電気代を抑えることは可能でしょう」

加湿器には水道水を使う!

 続いて、加湿器の使い方についてです。蒸気を吸い込んだり、肌に触れたりすることから、水道水は良くないのではと思っている人もいるかもしれません。しかし、加湿器には必ず水道水を使用しましょう。

「蒸気などが部屋に満ちることを考えれば、きれいな水が最適とお考えになるかもしれませんが、日本の水道水は絶対的に安全です。かならず水道水を使ってください。水道水には塩素が含まれているため、加湿器内部にカビや雑菌が繁殖することを抑えてくれます」

 本多さんによると、加湿器にミネラルウォーターや浄水器からの水、アルカリイオン水、井戸水、温水などを使うことは「御法度」とのこと。また、水道水を使用していても、定期的なお手入れを怠るのもNGだといいます。フィルター掃除など、定期的なお手入れは、取扱説明書を熟読のうえ正しく行いましょう。

加湿器の置き場所は「部屋の中央」が理想

 また、加湿器の置き場所に悩んだことがある人もいるでしょう。本多さんいわく、家具などの配置の問題で難しいことも多いですが、最も効果が望める置き場所は「部屋の中央」です。

「しかしながら、家具などが近くに据えられていると、水蒸気などの影響でカビや変質の可能性も否めません。家具などからは一定の距離を確保のうえ、可能な限り部屋の中央に据えることをおすすめします。また、エアコン付近に据えると、水蒸気がエアコンの風に乗って部屋に行き渡り効果的でしょう」

 加湿器の使用時期は地域によりますが、空気の乾燥がやわらぎ始める4月頃まで。次シーズンも使えるよう、しっかりと掃除をして、乾燥させてからしまいましょう。

(Hint-Pot編集部)

本多 宏行(ほんだ・ひろゆき)

総合家電エンジニア。スマートマスター。延長保証会社テックマークジャパン株式会社オペレーション部クレームチームエキスパート。大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社「テックマークジャパン」入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座など)、パソコン、車など多岐にわたる。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要な「総合家電エンジニア」とスマートハウスのスペシャリスト「スマートマスター」の資格を保持し、チームを牽引する。