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「使われているのは初めて見た」 外国人被災者に向けた「やさしい日本語」に反響
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1日に発生した「令和6年能登半島地震」。現在も余震が続き、避難継続が呼び掛けられています。X(ツイッター)では、そうした状況のなかで外国人被災者に向けた「やさしい日本語」が注目を集めました。
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わかりやすい言葉に言い換える「やさしい日本語」
「やさしい日本語」とは、外国人に向けてわかりやすいよう配慮し、迅速に情報が伝わるよう簡潔に表現した日本語のことです。災害発生時、外国人被災者は「言葉の壁」により、適切に避難することができなかったり、避難所でうまくコミュニケーションが取れず、孤立してしまったりするケースがあります。
しかし、災害発生時は、その情報をすべての外国人被災者の母語に翻訳することは現実的に難しく、通訳ボランティアが実際に被災地へ行くまでには時間がかかることも。そこで、やさしい日本語が必要となってくるのです。
具体的には、高台→たかいところ、避難所→みんながにげるところ、行方不明→どこにいるかわからないなど、わかりやすい言葉に言い換えることで、コミュニケーションを行いやすくし、防災や減災につなげます。これは外国人だけでなく、障碍者や高齢者、子どもにも効果的なツールのひとつと考えられています。
内閣府のウェブサイトによると、こうした災害時のやさしい日本語での情報発信の取り組みが始まったのは、1995年に発生した阪神・淡路大震災がきっかけでした。その後、新潟県中越地震(2004年)や東日本大震災(2011年)を経て、現在は全国的に広がっているといいます。
「報道も変わってるんだなと思った」 Xで反響
1日に発生した「令和6年能登半島地震」の避難呼びかけでも、この「やさしい日本語」がさまざまな場所で使用されていました。X(ツイッター)では、実際に活用される「やさしい日本語」に注目が集まっています。
「今回のニュース 今までの災害の教訓が活かされて呼びかけ方が強くなったり外国語や『やさしい日本語』が使われていたりしてひとりでも多くの人に届くようにという姿勢をひしひしと感じる」
「昨日のニュースを見ていて、警報や避難のアナウンスがやさしい日本語や英語でも書かれていたり、警報だけではなく『逃げろ』と繰り返し伝えていたり、手話でも同時に報道がされていたり、過去の震災の経験から『ひとりでも多く助かるように』変わってきたいろいろなものを見てちょっと泣きそうになってた」
「『やさしい日本語』知ってはいたけれど、実際に使われているのは初めて見た」
「アナウンサーさんの口調、英語併記、やさしい日本語の活用等、東日本大震災から教訓を得て報道も変わってるんだなと思った」
在留外国人数は近年著しく増加しているほか、訪日外国人観光客もコロナ禍前の水準まで復調するなど、日本を訪れる外国人は年々増加しています。自然災害が多い日本では、今後ますます日本語話者以外へ災害情報を発信する方法が必要になっていくことでしょう。過去の教訓を生かし、情報伝達のあり方は日々見直しが続けられています。
(Hint-Pot編集部)