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「見てるだけで休日終わりそう」 不思議な微生物から漂う癒やし ミクロの世界に4万人が夢中

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ボルボックスが回転する様子に癒やされる(画像はスクリーンショット)
ボルボックスが回転する様子に癒やされる(画像はスクリーンショット)

 時間を忘れて見続けたくなってしまう動画ってありますよね。X(ツイッター)では、顕微鏡で撮影した微生物の映像が4.1万件もの“いいね”を集め、大きな話題になっています。のんびりした様子なのに、目が離せない……そんな不思議な動画について、投稿者のEudorina(@Eudorina_ch)さんに、詳しいお話を伺いました。

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池や湖などに棲息するボルボックス

「ボルボックス見てるだけで休日終わりそう」

 そんな一言が添えられた動画には、ゆっくりと回転する無数の球体が映っています。ボルボックスとは、池や湖などの淡水に棲息する緑藻のこと。単細胞生物が集まって1個体を形成している「細胞群体」の一例として、生物の授業で見たことがあるという人もいるでしょう。

 顕微鏡で撮影された、癒やされるミクロの世界は反響を呼び、4.1万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には、「すてき……」「初めて見た……なんだこれは」「ほんとに無限に見ていられるね」など、夢中になってしまう人が続出しています。

観察しやすいように水の量をできるだけ少なくするのがポイント

Eudorinaさんが撮影したミカヅキモ【写真提供:Eudorina(@Eudorina_ch)さん】
Eudorinaさんが撮影したミカヅキモ【写真提供:Eudorina(@Eudorina_ch)さん】

 趣味で川や池などで微生物を採集し、顕微鏡で撮影している動画をXやYouTubeで紹介しているEudorinaさん。ちなみに、お名前の「Eudorina」は、ボルボックスの一種です。

 Eudorinaさんがボルボックスの培養や撮影を始めたのは2019年のこと。事故と障害がきっかけでした。その後、大学時代に研究していた藻類への興味が再び高まり観察するように。Eudorinaさんが撮影するボルボックスはとても美しく、細胞一つひとつが動いているのも見ることができます。機材は、顕微鏡とキヤノン EOS Kissを使用しているそう。また、コツは水をできるだけ少なくすることだといいます。

「ホールスライドグラスを用いて、水滴がドーム状にならないようにして観察しやすくしています」

 動画をよく見ると、動いているものと静止しているものがいます。Eudorinaさんによると「水滴上にいるのでグラスの傷にひっかかったり、水滴の端で身動きが取れなくなったりしている」そうです。ボルボックスは自由気ままに動いているように見えますが、きちんと前後があり、決まった方向に泳ぐ習性があります。

「休日終わりそう」とメッセージを添えていたEudorinaさんですが、この日、実際に観察を行っていたのは1時間ほど。それというのも、長時間スライドグラス上にいるとボルボックスが弱ってきてしまうのだとか。何千という数の細胞が協力しあって、平泳ぎをしているというボルボックス。そう考えてみるだけで、よりかわいらしさが増しますよね。

(Hint-Pot編集部)