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ショウガの皮はむかないほうがいい? 切り方やおろし方を栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

おろしショウガ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
おろしショウガ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 体を温めてくれる作用が期待できるショウガ。寒い季節の冷え対策の食材として、料理に活用している人も多いでしょう。ショウガを使う際に、気になるのが皮。むかなくても良いのでしょうか。また栄養を効率良く摂取できる切り方やおろし方とは? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

ショウガは皮の近くに香り成分や栄養が

 冬の時期に流通しているショウガは根ショウガです。秋頃に収穫され、数か月貯蔵されてから出荷されたものが、主に流通しています。ふっくらと丸みがあり、薄茶色の皮が特徴です。

 皮をむくかどうか迷うこともあるかもしれませんが、鮮度の良いショウガであれば、しっかりと表面の汚れを水洗いして落とせば、皮ごと使って問題ありません。ショウガの香りや栄養は、皮の近くにもっとも多く含まれているといわれています。最も有名なのが辛味成分のジンゲロールです。発汗を促し解熱効果があります。ジンゲロールは加熱するとショウガオールに変わり、体を温める効果に期待できます。

 栄養も残さずいただく観点からいえば、皮はむかずに使うのがおすすめです。ただし、見た目の色合いを良く仕上げたいときや、鮮度が落ちて皮が乾燥してしまったり、変色してしまったりしているときには、皮をむいて使うと良いでしょう。

 ショウガの皮は薄いので、包丁やピーラーなどを使うと皮が薄くむけず、食べる部分が少なくなってしまうことがあります。スプーンで皮をこそげ取るようにすると、無駄がないでしょう。または丸めたアルミホイルで表面をこするようにすると、泥で黒ずんでいる部分なども取りやすいです。

ショウガの香りをより楽しむための切り方

 ショウガは細かく切れば切るほど、香りが立ちやすくなるといわれています。栄養メリットをいただく“正しい”おろし方や切り方について定義はありませんが、調理によって、皮ごと使ったり、おろしたり、薄切りや千切りなどは、料理に適した切り方で用いると良いでしょう。

 たとえばおろしショウガは、ショウガの風味を存分に楽しめて、栄養分を逃さない方法になります。ショウガは一度切ると日持ちがしないので、水洗いして水分を取ったら丸ごとラップに包み、冷凍保存し、おろす際は凍った状態で行うと手軽です。

 ショウガの繊維は、表面の線に対して垂直に向いています。この表面の線と平行になるようにおろし金ですると、繊維に対して垂直にすりおろすことができ、口当たりの良いおろしショウガができます。

 みじん切りは、炒め物や、混ぜ込みご飯などにおすすめで、食感のアクセントに。千切りは、ショウガの辛みを効かせたい煮物などに良いでしょう。もちろん具としてもいただけます。隠し味としてショウガ風味をほんのりと効かせたいときは、薄切りがおすすめです。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾