Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

韓国人が驚く日本の居酒屋文化 初対面でもすっかり仲良し 「韓国では経験できません」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

パク・トドさんが日本のディープな焼き鳥屋を紹介(画像はスクリーンショット)
パク・トドさんが日本のディープな焼き鳥屋を紹介(画像はスクリーンショット)

 日本を訪れる韓国人観光客が急増する中、日本の食文化を紹介している韓国人YouTuberが多忙な日々を送っています。飲食店紹介チャンネル『土曜日の東京』(原題は韓国語)は日本人でも足を踏み入れるのをためらうようなディープな居酒屋の動画を毎週のように公開していています。同チャンネルを運営する都内在住の会社員パク・トドさん(30代後半)は「日本の居酒屋やスナックには韓国にはない文化があります」と力説します。その理由を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

『コ』の字や『L』の字の小さなカウンター

 日本在住10年以上の韓国人が運営しているYouTubeチャンネル『土曜日の東京』。公開されている約100本の動画のうち、ほぼ8割が個人経営の小さな居酒屋を取り上げています。

「最初は友人に連れられて入った狭い居酒屋が気に入って、1人でも入店するようになりました。『コ』の字や『L』の字の小さなカウンターに座ると、両隣のお客さんの肩に触れることもあります。でも、そうしているうちに打ち解けて仲良くなり世間話をするようになります。『私は韓国から来ました。こういう居酒屋が大好きです』と言うと、常連のお客さんも興味を持ってくださり話が弾みますね」

 トドさんが最初、ビックリしたのが注文についての独自ルールだ。瓶ビールを飲みたい時、お客さんが冷蔵庫から直接取り出したり、冷蔵庫にいちばん近い席にいるお客さんが取り出して客同士がリレー形式で自分の席まで運んでくれたり……。先日訪れた居酒屋は瓶ビールを取り出すごとに机の上に100円玉を5~6枚並べてその都度、お勘定をします。こんなスタイルは韓国ではほとんど経験できません」。最初は見ず知らずの客同士が帰る頃にはすっかり長年の友達のようになっています。

「私はお酒が好きでビール→日本酒→ワイン→ウィスキーという順番で飲んでいきます。お店をハシゴすることも多く、初めて入った居酒屋で常連さんと仲良くなり、気づいたら朝まで3、4軒の居酒屋をハシゴしていた、なんてこともありましたね。もうただの酔っぱらいです(笑)」

 こうした常連さんとのつき合いの中で気がついたことがある、といいます。

「お店の中では客同士が名刺交換したりお互いの職業や勤務先の会社を自ら明かしたりすることはほとんどないです。店内で私がなれなれしく話しているお相手が実は日本を代表する大企業の重役だった、というケースだってあり得るわけですが、居酒屋ではみな平等といった平和な雰囲気で、それがまた韓国人の私を感動させます。居酒屋やスナックは日本独自の文化だと思いますね」

 そんなトドさんの居酒屋探訪。動画の撮影もほとんどのお店から「OK」の返事をもらいますが、「断られることもありますよ。でもそれはお店の経営者が高齢で海外のお客さんが増えると調理の手間がかかったり、コミュニケーションがとれなかったりすることを心配されてのことです。みなそれぞれの事情がありますから撮影に行く際は絶対にご負担をかけないように気をつけています」

 普段は東京の西側に位置する新宿、渋谷、三軒茶屋、笹塚、幡ヶ谷あたりの居酒屋に行くことが多いトドさん。「次回は湯島の老舗居酒屋として有名な『シンスケ』に行ってみたいです」。韓国の視聴者からは「入りにくいお店を紹介してくれてありがとう」などの感謝の言葉が届くといいます。ディープな東京を紹介するトドさんの居酒屋探訪はまだまだ続きます。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)