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知らないと福を逃す? “やってはいけない”5つの言い伝え 昔からいわれる「豆まきのタブー」とは

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

節分の豆まき(写真はイメージ)【写真:写真AC】
節分の豆まき(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 もうすぐ節分。2024年は2月3日です。家で豆まきを予定されている方も多いでしょう。豆をまくことで、鬼を追い出し、福を呼び込む風習ですが、意外に知らない「やってはいけないこと」も存在します。日本古来の伝承や風習、先人の知恵など諸説に着目するこの連載。節分の豆まきにまつわる言い伝えを紹介します。

 ◇ ◇ ◇

豆は「魔滅」 邪気の象徴である鬼を払うもの

 節分に豆をまく風習は、室町時代の頃に始まったといわれています。江戸時代になると庶民にも節分の豆まき風習が広がっていきました。昔は豆を「魔滅(まめつ)」と呼び、邪気の象徴である鬼を追い払う力を持つものと考えられていたようです。

 本来、節分の豆は、升に入れて神棚に供えてからまくのがしきたりです。升は「ます」が「益(増)す」に通じるといわれ、「益々、幸せが増す」縁起物とされてきました。

昔からいわれる「豆まきのタブー」とは

 現代の豆まきは、節分行事を楽しむイベント的な要素も。昔の風習とは異なる点がありますが、言い伝えられている、やってはいけない5つの「豆まきのタブー」を紹介します。

○生の豆を使う

 生の豆をまくのは縁起が悪いとされています。「拾い損ねた生の豆から芽が出ると、鬼が戻ってきて不吉なことが起こる」という言い伝えがあるからです。節分の豆まきの豆は、炒った大豆を使うのが一般的です。火を通すことで豆が清められること、また「豆を炒る」が「魔目を射る」に通じるとされています。

○日中に豆まきをする

 鬼は、真夜中にやってくると考えられていたので、日中に豆をまくのは効果が薄いと避けられてきた説があります。仲間内で楽しむものではなく、家で豆まきをする場合は、家族全員がそろった夜に行うほうが良いのかもしれません。

〇家族の誰かが鬼役をする

 季節の行事として節分を楽しむために、家族の誰かが鬼役となり豆まきをすることがあるでしょう。しかし、鬼役を立てずに豆をまくのが本来の作法とする考え方があります。鬼は邪気の象徴で、もともとは目に見えない存在と伝えられてきました。そのため一家の主をはじめ、家族の誰かを鬼として追い出すのは良くないというのが理由です。

○「鬼は外」のあと、すぐに窓や玄関を閉めない

 窓や玄関を開けて「鬼は外」で豆をまいたあと、閉めずに「福は内」と室内に豆をまくのはタブー。「鬼は外」の外に豆をまいたら、鬼が戻ってこないように、開けた窓やドアはすぐに閉めて、「福は内」と室内にまくのが福を呼び込む豆まきです。現代ではマンションなど屋外に豆をまけない場合は、まず窓を開けて窓近くの床にまき、窓を閉めて室内の中心にまくと良いとされています。

○豆まき後に豆を食べない

 豆まきが終わったあと、豆を食べないのはご法度。それは、豆を食べるまでが節分の豆まきだからです。節分の炒った豆は「福豆」と呼ばれ、食べると邪気を払って福を呼び込むといわれています。1年間を無事に過ごせるように願いながら食べましょう。自分の年齢よりも1つ多い数の豆を食べるのが正式な作法といわれています。

 このほか、地域によって独自の習わしや言い伝えも。また時代とともに節分の豆まきも変化しています。上記の5つが必ずしもタブーとはいえませんが、昔からの言い伝えを知った上での豆まきで、邪気を払って、福をたくさん呼び込みたいですね。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu