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健康・美

止まらない鼻水とくしゃみ…朝だけ出る症状には意外な原因が? 医師に聞いた改善策

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:佐藤 留美

鼻水が止まらないのは風邪とは別の原因?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
鼻水が止まらないのは風邪とは別の原因?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 熱もないし、喉の痛みなどもないけれど、さらさらとした鼻水が出てくる。また、一日中ではなく、朝だけくしゃみが出るという症状があり、風邪薬を飲んでいても一向に治らないという場合、もしかしたら自律神経の乱れが原因かもしれません。このような症状が出たときの改善策について、内科医の佐藤留美医師にお伺いしました。

 ◇ ◇ ◇

自律神経は鼻の粘膜の血管収縮や拡張にも関係が

 自律神経とは、交感神経と副交感神経のふたつから成り立ち、両者がバランス良く働くことで、私たちの心身を快適なものに保持してくれています。また、体温や心拍数、消化などの生体機能を調節する働きも。とくに、鼻の粘膜の血管収縮や拡張といった作用は、自律神経が大きく関係しています。

 しかし、睡眠不足や不規則な食事、日常のストレスなどで生活習慣が乱れてしまうと、自律神経のバランスが崩れてしまうことが。すると、鼻の粘膜の調整機能が乱れてしまい、くしゃみやさらさらとした鼻水が出ることもあります。

 また、日中はあまり気にならないのに、朝起きたときにくしゃみが止まらず、鼻水が出るという症状が出る場合も。これは、「モーニングアタック」と呼ばれ、自律神経が大きく関わっています。

 起床時は、自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わります。交感神経は血管を収縮させてくしゃみを抑えますが、目覚めてから徐々に機能するため、一時的に自律神経のバランスが崩れて鼻炎のような症状が出やすくなるのです。

生活習慣を調えることで改善する場合も

 このような症状が出た場合、すぐに病院で治療が必要なわけではありません。まずは、規則正しい生活と適度な運動を心がけ、質の良い睡眠をとるようにし、ストレスをためないことが大切です。また、就寝前はゆっくりと湯船につかり、夜更かしをせずに早めに睡眠をとることを心がけましょう。

 1日の中でリラックスする時間を設けるなどすれば、自然治癒も期待できます。自律神経を整えることで、鼻水やモーニングアタックの改善につながるでしょう。

 もちろん、くしゃみと鼻水の原因はさまざまあり、自律神経が原因ではない場合も。とくにこれからの季節は、花粉などによるアレルギーの可能性もあります。

 鼻水などの症状が気になったら、まず耳鼻咽喉科で受診することをおすすめします。ただし、自律神経の乱れが疑われる場合は、内科や脳神経内科の医師に相談すると良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

佐藤 留美(さとう・るみ)

久留米大学医学部卒業後、同大学病院や市中病院にて臨床医として研鑽を積む。大学院では感染症学の研究に励み、医学博士号を取得。臨床面では内科・呼吸器・感染症・アレルギーなどの専門医及び指導医となり、同大学関連の急性期病院にてCOVID-19の診療など第一線で活躍中。花粉症や喘息などのアレルギー疾患の診療経験も豊富。その傍ら、現在は藤崎メディカルクリニックの副院長として地域医療にも取り組んでいる。