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からだ・美容

こたつに長居しすぎは体調不良のもと 風邪以外にも注意すべき病気とは 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:佐藤 留美

こたつが体調不良の原因になる理由とは(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
こたつが体調不良の原因になる理由とは(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 日本付近に近年でも最強レベルといわれる寒波が襲来する見込みです。不要不急の外出は控え、こたつでぬくぬくと温まりたいところですが、昔から「こたつで寝ると風邪をひく」といわれています。実際に、こたつでついうたた寝をして風邪をひいてしまう人も。体を温めているのに風邪をひいてしまうのはなぜなのでしょうか? その原因や予防法、長く入っていたい時の対策について、朝倉医師会病院呼吸器科部長で日本感染症学会認定専門医の佐藤留美医師に解説していただきました。

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「こたつで寝ると風邪をひく」の真相は? 体温差や発汗が引き金に

 昔から「こたつで寝ると風邪をひく」といわれますが、医学的エビデンスはありません。ただし裏付けはありませんが、長時間こたつに入ることで体調を崩しやすくなる要因は大きく3つ考えられます。

○上半身と下半身の温度差によって体温調整が働かなくなる
 こたつに入ると、下半身は温められますが、上半身は外に出たままのため体温に差が生じます。そのため、体温の調整機能が狂ってしまい風邪をひきやすくなるのです。

○発汗による体の冷え
 こたつに入ることで汗をかくと、それが蒸発する時に体温を奪ってしまいます。その結果、体が冷えてしまうことで風邪をひくきっかけになると考えられます。

○脱水症状によるウイルスや細菌感染
 さらに、汗をかくことで脱水症状になると口や鼻の粘膜が乾燥します。そうすると、体内にウイルスや細菌が入りやすくなるため風邪をひいてしまうのです。

「万病のもと」ともいわれるこたつ 心臓疾患や低温火傷の可能性も

 これらが要因で起こる体調不良は風邪だけではありません。こたつで寝ることを繰り返していると、もっと深刻な病気を引き起こすことも。

○自律神経の乱れ
 前述した通り、上半身と下半身での温度差は自律神経の乱れを引き起こします。倦怠感や動機、めまい、不眠など全身的な症状や、情緒不安定やイライラといった精神的症状が現れることも。臓器にダメージを与えることもあるので注意が必要です。

○心臓疾患
 発汗によって脱水状態になると血液がドロドロになり、狭心症や心筋梗塞といった心臓疾患にかかってしまうこともあり得ます。また、温かいこたつから寒いトイレなど、急激な温度変化によるヒートショックにも注意が必要です。

○足の低温火傷
 低温火傷は、44~50度前後のものに触れ続けることで起こります。自覚症状がないまま皮膚の深部で進行し、重症化すると皮膚移植が必要になることも。初期症状は皮膚の赤み程度ですが、軽い火傷に見えても皮下組織まで損傷している場合があるので、症状を感じたらすぐに病院へ受診してください。