健康・美

長引く咳は「咳ぜんそく」や「副鼻腔炎」の可能性も 呼吸器内科医に聞く今、気を付けたい症状と対処法

著者:中野 裕子

教えてくれた人:杉原 徳彦

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写真はイメージです【写真:写真AC】
写真はイメージです【写真:写真AC】

 寒暖差の大きい日が続き、日を追うごとに寒さを感じるようになった今日この頃。乾燥も気になる季節になってきた。この時期は風邪をひきやすくなるが、実は風邪以外にもさまざまな症状が原因で、呼吸器科や耳鼻咽喉科を受診する患者が増えるという。東京・中野の「仁友クリニック」院長で、祖父の代から呼吸器科内科医として、しつこい体の不調の改善に取り組む杉原徳彦医師に今、気をつけたい症状と対処法などの話を聞いた。

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治りにくい咳に悩む人が増えている 単なる風邪ではないケースも

 杉原医師によると、秋から冬にかけては、咳や鼻水、鼻づまりで、呼吸器科や耳鼻咽喉科、内科を受診する人が急増するという。梅雨時期から秋口にかけて増えたダニが死に、その死骸や大量発生した糞によるアレルギー症状が出たり、ブタクサによる花粉症の症状が出たりするからだ。さらに、ここ数年は治りづらい咳に悩む人が増えている。そうした症状に悩んでいるのは、男性より女性のほうが多いのが特徴で、実は意外なところに原因があると指摘する。

 昨年、咳、鼻水、鼻づまりなどに悩んでいたものの、いつのまにか症状が消えた人や、病院にかかったが治療を途中でやめてしまった人で、今年も症状が出ている人は注意が必要だ。原因は、風邪やダニアレルギー、ブタクサアレルギーではなく、実は「咳ぜんそく」や「慢性副鼻腔炎」という場合があるからだ。そして、原因を見極めきちんと治療をしないと、気管支ぜんそくに進行したり、手術でも完治が難しくなったり、味覚障害や嗅覚障害、視力異常になったりするというのだ。

 風邪の後などに咳が3週間以上続いた場合は、まず咳ぜんそくを疑い、呼吸器科を受診してほしい、と杉原医師はいう。レントゲン検査などで結核や肺がんなどのチェックをしたあと、気管支拡張薬と吸入ステロイドを併用して咳の治療を始め、たいていは1~2週間以内に効果を実感できる。そこで治療をやめず、医師の指示に従って2か月~半年ほど治療を続けることが最も大切だ。途中で治療をやめると咳は再発し、再発を繰り返すと気管支の気道はどんどん厚く硬くなり、治りにくくなるというのだ。

 そして、その治療をしても症状が改善しない場合は、慢性副鼻腔炎を疑ったほうがいいだろう。「副鼻腔」とは鼻の穴の奥にある“骨に囲まれた小さな8つの部屋”で、鼻の穴につながっている。慢性副鼻腔炎は、このつながり部分や副鼻腔内で炎症が起きて症状が現れる。濃いネバネバした鼻水が喉に落ちてきたり、鼻づまりで頭がボーッとしたり、頭痛が起きたりする症状が目立つが、風邪に似ているため症状だけでは判断が難しく、CT検査でわかる場合が多い。ただ、副鼻腔炎と判明しても、病院では「治療の必要なし」と軽症の診断をされ治療をされない場合もあるという。もし、あなたの症状が改善しない場合は、セカンドオピニオンを受けることも視野に入れたほうが良いだろう。

 一般的に、慢性副鼻腔炎は飲み薬と点鼻薬の併用で、症状は2週間ほどで改善するそうだ。しかし、副鼻腔内の細菌を完全に取り除くのは難しく、炎症性の物質を取り除く治療法などを、3か月~年単位で行う必要があるという。根気のいる治療だが、副鼻腔炎を放置していると睡眠時無呼吸症候群や、進行すると呼吸困難になる慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった恐ろしい病を併発しやすいといわれる。ぜひ、きちんと専門医を受診して治療してほしい。