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「さすがやな…」壊れた時計を修復? ベトナム人に驚き「時間を気にする日本人にはない発想」

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著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

どこにでもありそうな壁掛け時計。よく見ると右半分が手書き【写真提供:マィコ・ベトナムで会社経営&書法書家さん】
どこにでもありそうな壁掛け時計。よく見ると右半分が手書き【写真提供:マィコ・ベトナムで会社経営&書法書家さん】

 壁に掛かっている時計。どこにでもある光景に見えますが、よくよく見ると、アレレ? 時計の右半分が手書きになっています。アートなのかギャグなのか。ベトナムで見かけた“半壊時計”の写真をX(ツイッター)に投稿したマィコ・ベトナムで会社経営&書法書家(@maikovietnam)さんに詳細を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

時間が正確過ぎるのもストレス 海外の人は細かい時間を気にしない

 壁掛け時計の右半分にあたる1時から5時までの数字が、なんと壁に直接手書きされています。このぶっ飛んだ時計の写真についてマィコさんは「ベトナムに在住して会社経営しているため日ごろから多くのベトナム人とやりとりします。この写真はベトナム人から送られてきたものの中から、面白いと思ったものをXに載せました」と紹介してくれました。

 確かにおもしろすぎるこの時計。「時間を気にする日本人には絶対にないだろう発想だなと思いました。バスや電車など正確な時刻表通りに動いている国は世界で日本だけだとも聞きます。日本人はたぶん1分のズレも気にすると思いますが、ベトナム人など海外の人はさほど細かい時間を気にしないから、こんなものでいいんだろうなと思いました」とマィコさん。時間が正確過ぎるのもある意味ストレスになりますよね。

 ところで、これはアートでしょうか? ベトナム人らしいジョークでしょうか? あるいは物を大切に使うということなのでしょうか?

「そこは分からないですが、ベトナム人は壊れたものでも使えるなら使います。例えば、扇風機も日本は羽根の周りの安全カバーの網がないと使わないですが、ベトナムでは羽根だけむき出しの扇風機をそこら中で見かけます。子どもの高さで回っていても、安全管理は自己責任みたいな感じで、他人のせいにしたり、国のせいにしたりもしません」。マィコさんの言葉を聞くと、まさに目からうろこが落ちるような感覚になります。

 他にもベトナムには魅力がたくさんあるようです。「ベトナム生活は8年くらいかなと思います。ベトナムは臨機応変に柔軟な国で、やりたいことがかないやすい環境です。ただ、事情はいろいろ日本と違いすぎるので慣れない人には難しいところがたくさんあります。時間をかけて積み上げてきた人のつながり、例えば歌手やMCや芸能人、政府関係の人などが友達だったり友達のお父さんだったり……。多くのベトナム人に助けられてきたので、ベトナムビジネスに挑戦したい日本人経営者さんをお手伝いして、成功してもらって、ベトナムを盛り上げる恩返しみたいに生きたいと思いながらゆるく生きています。日本人にもベトナム人にも、win-winになっているかなと思います」。

 ベトナム人の平均年齢はアラサーで、日本はアラフィフと指摘するマィコさん。

「日本の1970年代でしょうか。『バブル期と似ている』と、そういう時代に生きていた日本人からよく言われます。それだけ、若者があふれ、にぎやかで勢いがある環境です。そういう環境でビジネスをしたい日本人経営者さんは日本にいるだけじゃもったいないから、たくさん来てもらえるとやりがいあっていいんじゃないかなと思っています」

 この時計の投稿には3万8000件の“いいね”が付く大反響となりました。「どうしてこうなった?」「もはやアート」「サルバドール・ダリかな」「これで動くんかw」「斬新なデザイン」などの声が続々と寄せられています。

 マィコさんは「ベトナム人から見た日本人の印象は、1.細かいことを気にする、2.時間にうるさい、みたいに言われています。日本人から見たベトナム人の印象は真逆で、1.ゆるすぎ、2.時間にルーズ、です。どちらが良い、正解とかそういう問題ではないし、もちろんTPOがあります。ベトナム人ぐらいゆるく、ルーズに! とまでは思わないですが、頭ガチガチで、こうしなきゃ、こうでなきゃ、ととらわれて、メンタルやられて、希望をなくしているような人がいたら、これぐらいゆるく生きても世界では問題ないんだよ! みたいに思ってもらえたらいいのではないか、みたいな考えです」と今回の投稿の意義を語ります。今の自分の生活にストレスはないか。この時計を見て自問自答してみるのもよいのではないでしょうか。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)