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カカオとココア違いは 「体に良い」と言われる理由を栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

カカオの実(写真はイメージ)【写真:写真AC】
カカオの実(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 カカオとココア。バレンタインデーに高濃度カカオのチョコレートが人気だったり、冬のホットドリンクにココアが親しまれたりしますが、両者の違いは何なのでしょうか。また、「カカオは体に良い」と最近よく聞きますが、何が良いのかも気になるところ。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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カカオとココア 響きは似ているけれど…

 結論からいうと、カカオとココアは同じです。カカオは紀元前から、米国からメキシコ南部で栽培されていたアオイ科の常緑樹。正式名称は「テオブロマ・カカオ」で、テオブロマとは「神様の食べ物」を意味するそうです。16世紀頃に、コロンブスがアメリカ大陸を発見したことがきっかけでカカオは欧州へ伝来しました。その際に一部の地域で、「カカオ」の発音が「ココア」となったといわれています。

 カカオの木は、幹に白を基調としたピンクや黄色の花を咲かせ、のちに果実を結実。この実を「カカオポッド」と呼び、その実の中に白い果肉で覆われた種子があります。この種子がカカオ豆です。カカオ豆は貴重なものだったので、昔は貨幣の代わりに用いられていたとも伝えられています。

 日本では、とくに定義はないようですが、原料として表す際などは「カカオ」、カカオ豆を加工した粉末や飲み物を「ココア」ということが多いです。ココアは、カカオ豆を発酵、乾燥させて砕いて炒ってすりつぶしたカカオマスから、油脂(ココアバター)を一定量取り除いたもの。ちなみにチョコレートは、このカカオマスにココアバターや砂糖、ミルクなどを加えて作ったものです。

カカオが持つ効能とは ポリフェノールにさまざまな期待が

 ヨーロッパでは昔、カカオを薬としても用いていたようです。実際に現代の栄養学の観点からも、カカオが持つ栄養メリットは高いといえます。

 ポイントは、なんといってもカカオポリフェノールの働きです。血管を広げる作用や強い抗酸化力があることから、血圧上昇や動脈硬化の予防に期待。また脳細胞の酸化を防ぐため脳を活性化し、認知機能の維持などにも関わることがわかっています。

 このほかカカオプロテインは、食物繊維のように消化されにくい性質が特徴。便通をスムーズにしてくれる効果があり、腸内にいる善玉菌のエサとなって腸内環境を整えることに役立ちます。

 そして、カカオはミネラルが豊富。たとえば歯や骨の構成成分となるマグネシウム、血液中の赤血球をつくるヘモグロビンに欠かせない鉄、体内の酵素の構成成分やたんぱく質の合成に関わる亜鉛などが含まれています。

 そのため、カカオを原料とするチョコレートやココアを適量いただくことは、さまざまな栄養メリットが期待できそうです。ただし、高濃度カカオのチョコレートはカカオの含有量が多い分、通常のチョコレートよりも脂質が多くなります。また砂糖や香料を含まないピュアココアを飲む際に、砂糖や牛乳などを加えればエネルギーは高くなり、決して低カロリーとはいえません。何においても食べすぎ、飲みすぎには注意しましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾