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農家の嫁がやっている柿、白菜、大根を使ったおいしいレシピ 季節を食卓で楽しむ

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著者:こばやし なつみ

新鮮な白菜、柿、柚子【写真:こばやしなつみ】
新鮮な白菜、柿、柚子【写真:こばやしなつみ】

 だんだんと寒くなってきますが、これからおいしくなる野菜や果物はたくさんあります。 “バリキャリ”女子だった東京の会社員から脱サラし、4年前に茨城の兼業農家に嫁いだ“農家の嫁なっちゃん”こと、こばやしなつみさん。現在、年間40品種の野菜を育てる小さな農業に励むなっちゃんが、旬野菜のおいしい食べ方を綴ります。これから甘みが増す白菜や大根に、なんと今が旬の果物・柿を使って簡単浅漬けに。見た目も華やかな「贅沢サラダ」風レシピをご紹介します。

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晩秋から冬が旬の野菜 「白菜」と「大根」

 霜が降り始める11月、いよいよ冬が本格的な旬となる「白菜」や「大根」が多く出回り始めます。我が家でも収穫が始まり、義父母が大樽で漬物を漬け込む時期になります。東京で会社員をやっていたころは「白菜」や「大根」も、スーパーには年中売っていて、自分も特に季節問わず買って食べていました。しかし農家に嫁いでからは、冬の間食べる白菜と大根の消費量が格段に増えたことで、冬の寒さに当たることで増す「甘み」、そしてやはり冬場にしか味わえない「旨味」があることを知りました。最近では、手のひらサイズで食べ切りやすい“ミニ白菜”も栽培する農家が増えているようです。

栄養豊富な葉付き大根が多く出回る冬場。新鮮な大根の葉はピンと張っている【写真:こばやしなつみ】
栄養豊富な葉付き大根が多く出回る冬場。新鮮な大根の葉はピンと張っている【写真:こばやしなつみ】

 また「大根」は、立派な葉付きのものが手に入りやすいのもこれから冬場にかけてです。βカロテンやビタミンC、カリウム、カルシウムなどの栄養価も非常に高く、料理でも色々な使いまわしが出来る「大根」の葉、新鮮なものが手に入ったら余すことなく食べたいものです。

秋冬ならではの味わい、柿の甘みを生かした昔ながらの漬け物

渋柿で干し柿を作る際に剥いた皮 一緒に干して乾燥させたもの【写真:こばやしなつみ】
渋柿で干し柿を作る際に剥いた皮 一緒に干して乾燥させたもの【写真:こばやしなつみ】

 真冬を迎える手前には、柿や柚子も店頭に多く並び始め、近所で「柿紅葉」を楽しめるのも嬉しいものです。我が家では、先代から「次郎柿」や「富有柿」などの甘柿、そして渋柿の木を複数本育てています。

 渋柿で干し柿を作るのですが、そのために剥いた皮を実と一緒におよそ1か月もの間、干します。そうして乾燥させた皮を、白菜の漬物を作る際に、一緒に漬け込むという方法を昔からとっているそうです。干したことで渋みが甘みに変わった皮を使うことで、漬物に自然の甘みを生み出すまろやかさが加わるということです。

 柿の実が入った大根の漬物といえば、山形県の大根を庄内柿の柿酢などで漬け込んだ漬物が知られています。そのまま食べるだけなく、副菜の一品としても柿の味わいを楽しむ生活の知恵には脱帽です。