カルチャー
「日本のラーメンを再現したい」 ドイツ人が日本で購入したこだわりのお土産とは
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インバウンドが回復し、日本のあちこちで外国人旅行客の姿を目にするようになりました。彼らは日本の名所や食文化を楽しみ、そしてお土産を買って帰国します。今回、欧州からやってきた3人組に話を聞くと、意外なものを見せてくれました。母国でどのように使うのでしょうか? 意気込みを聞きました。
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「日本人が職人技を極めるようにはできないが…」
欧州からはるばる東京にやって来たのは、ヘニングさん(オーストリア)、マックスさん、マックスミリアンさん(ともにドイツ)の3人組です。日本に来ると、京都や大阪、北海道、広島、沖縄など日数をかけて各地を訪れる旅行客が多い中、3人は東京のみを観光目的に、新宿や渋谷、池袋、原宿、秋葉原、中野などを回りました。
東京スカイツリーや六本木ヒルズの展望台、皇居などを訪れ、その間にショッピングや食事を楽しむ旅のスタイルです。宿泊施設は、米民泊仲介大手Airbnb(エアビーアンドビー)を使って確保したと言います。
「基本的には電車で行けるところならどこへでも行きます。とても便利です」と口をそろえた3人組。欧州に比べ、首都圏の鉄道網の複雑さはしばしば困難視されますが、使いこなせればこれほど便利なものはありません。運行時間も驚くほど正確です。
帰国まであと2日という状況下で、気になるのがお土産です。
冬なのに、ピンクのTシャツ1枚の姿のマックスさんに聞きました。
すると、リュックサックを下ろして紙袋に包まれたものを取り出し、「ベーシックなラーメンの丼とナイフを買いました」と話しました。
世界的に評価が高い日本の包丁。有名な専門店ではしばしば外国人の姿を見かけます。
一方で、ラーメンの丼はユニークです。ラーメンは外国人にも大人気の食べ物ですが、丼を買ってどうするのでしょうか。
「帰国したらラーメンを作ってみたいと思います」と、マックスさんは笑顔を見せました。
どうやら、観光するうちに、すっかり本場の味に魅せられた様子。創作意欲が湧いて、購入に至ったようです。
「ラーメンを作りたいと熱望しています。日本人が職人技を極めるようにはできません。しかし、少なくとも試してみて、理想の味を追求したいと思います」
地元で食材は買えるのでしょうか。
「いくつかのアジア食品店があります。基本的なものは手に入ると思いますが、私たちが試みようとしている味を再現できるとは思いません。材料を入手するのは非常に困難です」
基本のしょうゆラーメンでも、だしを取るための鶏ガラから麺、チャーシュー、なると、メンマ、のり、味付けたまご、ねぎなどが希望によって必要です。日本のスーパーならすぐに用意できますが、ドイツではそう簡単にはいきません。
日本製に喜び 「私たちはオリジナルなものを望んでいました」
ただ、多くのハードルがあっても、意気込みは十分なだけに、仕上がりが楽しみです。味はさておいても、作る過程を想像するだけで、日本人としてはうれしい気持ちになりますね。
丼も類似したものは母国で購入できる可能性はあります。
しかし、マックスさんは、日本で買うことに意味があると強調しました。
「日本ではこれらの商品が安く買えます。ヨーロッパでも輸入手数料を支払えば、いくつかのオンラインショップで購入できる場合もありますが、高いですからね。価格を2倍にしているようなものです。時々、3倍になることもあります。そしてこれらはオリジナルの日本製です。私たちはオリジナルなものを望んでおり、支払った金額に見合ったものを確実に得たいと考えていました」と満足そうに結びました。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)