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桜エビと小エビは何が違う? 栄養メリットやおいしい食べ方 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
静岡県の駿河湾で水揚げされる桜エビ。「海の宝石」とも呼ばれるほど、貴重なエビです。通年水揚げできるものではなく、春漁と秋漁の2回だけで、これからがおいしい季節になります。海鮮丼やかき揚げ、お好み焼きなどで食する機会は多いですが、知っているようで知らない桜エビについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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年に2回しか漁獲できない貴重な桜エビ
桜エビ漁の時期は決まっていて、毎年3月中旬~6月上旬の春漁、10月下旬~12月下旬の秋漁です。解禁時期は、桜エビの生育状態などから判断されるので、年によって違いがあります。夏は桜エビの産卵期にあたり桜エビの保護のため、そして冬は桜エビが海の深い場所に移動するため、水揚げできません。駿河湾で限られた時期にしか水揚げできない貴重なエビです。
桜エビの体長は4センチ前後で、長いヒゲが特徴。体が淡い桜(ピンク)色に見えることから桜エビと名付けられたといわれています。しかし実際は、体は透明で、甲に赤い色素があることからピンク色に見えているようです。ゆでたり干したりすることで、さらに美しい桜色になります。
春の季節に水揚げされた桜エビは、産卵の夏から秋、冬と過ごしているので、十分に成長して殻が硬いものが多いといわれています。一方で、秋漁の桜エビはやわらかいものが多い傾向です。
丸ごと食べられる桜エビは栄養の宝庫
もともとエビ類は高たんぱく質で低脂肪の食材です。とくに桜エビは、頭も殻も内臓も丸ごと食べることができるため、ほかのエビ類と比べると、脂質やビタミン、ミネラルなどの栄養成分が豊富。骨や歯の成分であるカルシウムを、牛乳以上に豊富にとることができます。
また、外殻に含まれるキチンキトサンを摂取できることも挙げられます。キチンキトサンとは、血中の悪玉コレステロールを下げる作用、免疫活性作用、肥満防止、整腸作用などが期待されている動物性食物繊維の一種です。
さらに、天然の赤い色素であるアスタキサンチンも摂取できます。アスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、老化や病気の原因となる活性酸素を抑えたり、眼精疲労を改善したりする効果があるといわれています。
小エビは桜エビのことではない
混同しやすいのですが、小エビは桜エビのことではありません。小エビとは、小さなエビの総称です。桜エビと似ている小エビにアキアミがあります。アキアミは体長3センチ前後。体は透明で、加工されると白っぽくなるのが特徴です。同様に、桜エビと似ているものにオキアミがありますが、エビとは異なる仲間で、魚釣りのエサとしても用いられます。
春本番とともに水揚げされる桜エビ。生が手に入りにくければ、素干ししたものを炊き込みごはんやお好み焼き、かき揚げ、パスタ、酢の物、卵焼きなどの具材にしてもおいしいです。旨味たっぷりで新鮮な季節限定の味を楽しみたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾