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マグロ おいしい「サク」の見分け方 旨味アップのひと手間とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

マグロのサク(写真はイメージ)【写真:写真AC】
マグロのサク(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 お祝い事などめでたい席の食卓に、マグロを刺身にする前のサクで買ってきて調理することも多いでしょう。せっかくならおいしいものを選びたいですよね。また、大トロや中トロ、赤身といった部位の違いや、おいしく食べるひと手間について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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マグロのサクの見分け方は「筋目」がポイント

 マグロは日本人に人気の魚で、家庭でも刺身や寿司ネタとして食べる機会が多いでしょう。店頭には、マグロの胴体部分を刺身にする前の長方形にした形で、サクとして売られていることもあります。刺身よりも値段が安く、好みの大きさに切って使えるので、マグロ料理には良いですよね。おいしいサクを選ぶ際、チェックしたいポイントは「筋目」の方向です。

 マグロのサクを横長に見て、平行に入っているものが良品で、次に斜めに入っているものが良いとされています。一方で、半円形やとがった形がある筋、筋の間隔が狭いものは、筋が口に残りやすく食感が良いといえません。できるだけ筋が目立たないものを選びましょう。

 このほかのチェックポイントとして挙げられるのは「形」「色」「汁」。長方形のサク自体の角がとがっているものは新鮮です。身の色は、黒ずんでいないものを選びましょう。赤身ならツヤがあり赤色が強いものを、トロならピンク色が良いでしょう。赤い斑点は血栓で、これがあると生臭さが出るので避けます。

 また、サクが入ったパック内に赤い汁(ドリップ)が出ていないものを選びましょう。ドリップが出ているものは、時間が経過して旨味が減っている可能性があります。

マグロの大トロ、中トロ、赤身の違いとは

マグロの刺身(写真はイメージ)【写真:写真AC】
マグロの刺身(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 マグロには、大きく分けると頭(カマ)、胴体、尾の3つの部位が。なかでも胴体部は、背中側と腹側に分かれ、さらに頭から尾にむかって上(かみ)、中(なか)、下(しも)に分かれます。一般的に頭部に近い「上」のほうが脂の乗りが良く、尾に近い「下」側は脂の乗りが弱くなるのが基本的な特徴です。

 頭部には、脳天、ほほ肉、カマ、アゴ肉、目玉などがあります。胴体部の背中側は、頭に近いところから順に、背筋上、背筋中、背筋下、同じく腹側は腹節上、腹節中、腹節下です。尾はテール、尾肉とも呼ばれ、この部分も食べることができます。

 大トロ、中トロ、赤身は、マグロの胴体にあります。大トロとは、腹上から取れるごくわずかな部分です。高級部位として知られ、口の中に入れた瞬間にとろけてなくなってしまうほどの脂の甘みと旨味が味わえます。

 中トロは、腹中や腹下と呼ばれる部位から取ることができます。範囲が広いため、脂の多さや色などばらつきがあるのが特徴。脂もほどほどに乗っているので食べやすく、人気の部分です。

 赤身は、マグロの胴体の中心部にあります。脂身が少なくあっさりとした味わいが特徴です。背中側と腹側に挟まれるように存在し、「上」「中」「下」それぞれの部位によって、筋の入り方が変わります。店頭で見かけるサクの筋目が違うのは、この部位の違いによるものです。