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パセリは飾りじゃない! 実は栄養豊富 食べるときに気をつけることや保存法を聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

肉料理に添えてあるパセリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
肉料理に添えてあるパセリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 肉料理や揚げ物などに添えてあるパセリ。料理の彩りとして、脇役のような存在に感じている人も多いかもしれませんが、実はさまざまな栄養素が含まれているスーパー食材です。単なる飾りじゃない、パセリについての豆知識を、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

パセリはビタミン、ミネラルが豊富な野菜

 一般的な日本のパセリはカーリーパセリといわれ、葉が縮れて密集しています。葉が平らなイタリアンパセリと比べると硬く、独特の香りとやや苦味があるのが特徴です。そのため、味わいやモソモソとした食感が苦手で、添え物でパセリがあっても食べない人が多いかもしれません。しかし、栄養メリットを考えると食べたほうが良いといえます。

 パセリは、ビタミンやミネラルなどが豊富に含まれている緑黄色野菜です。日本食品標準成分表2020年(八訂)の栄養価をもとに、主な野菜を栄養成分別ランキングにしたものをみると、パセリはカリウム、カルシウム、鉄で1位に。また、ビタミンC、βカロテン、食物繊維もトップ10に入るほど栄養豊富な野菜です。

 ただし、100グラムあたりの比較なので、野菜によって一度に食べる量には違いがあります。添え物で使うパセリの栄養価は微量にはなりますが、さまざまな栄養素が含まれているので、残さずに食べたいところです。

料理に添えられるパセリは理に適っている

 そもそも、なぜ料理のつけ合わせにパセリが使われるか、その理由には次の2つのことが考えられます。ひとつは、料理の彩りを良くすることです。鮮やかな緑色を添えることで見栄えが良くなり、食欲をかき立ててくれます。もうひとつは、香り成分の作用です。パセリの香り成分であるアピオールには消化促進、疲労回復、口臭予防効果が期待されています。

 また、パセリに含まれる、脂溶性であるβカロテンは油脂とともに食べると吸収率を良くするため、肉料理や揚げ物に添えることは効果的といえるでしょう。

 加えて、パセリが添えられるくらいの量という点も理に適っているといえるかもしれません。香り成分のアピオールは、一度に大量に摂取すると内臓に負担がかかったり、子宮を収縮させたりする作用もあるといわれています。

 パセリは栄養豊富で積極的に食べたい食材ではありますが、胃腸が弱っているときや、とくに妊娠中の人は食べすぎに気をつけてください。料理の主役として一度にたくさん食べるよりは、添える程度の少量を日々摂取するほうが良いでしょう。

大量に購入したら冷凍保存もおすすめ

 パセリはハウス栽培が盛んなので、市場には通年出回りますが、春先のものは葉がやわらかく、とくにおいしくなるといわれています。乾燥に弱いので、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するか、水を入れたコップに差し、ポリ袋をかぶせて冷蔵庫に保存しておくと日持ちします。

 大量に手に入った場合は、水洗いして水気をしっかりと切り、みじん切りにしてから冷凍用の保存袋に入れ、冷凍庫で保存しておくのも便利です。

 またはパセリの葉と茎を分けて、葉は切らずにそのままの状態で、茎はラップに包み、それぞれ保存袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。料理の際に、葉は凍ったまま手で砕けるので手軽です。茎はハーブとして煮込み料理などに使いましょう。肉や魚の臭み消しにもなります。

 栄養メリットを摂取するために、飾りとしてだけではなく上手に活用したいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾