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「日本人が考えるよりずっと高く、海外で評価されている」 「駐夫」がニューヨークの地下鉄で気づいたこと

公開日:  /  更新日:

著者:ユキ

令和の風を吹き込んだ日本の地下鉄車両

地下鉄の車内で物売りをする子ども【写真:ユキ】
地下鉄の車内で物売りをする子ども【写真:ユキ】

 ニューヨークというと、最先端でファッショナブルなところといったイメージがあるかと思います。ところが地下鉄構内は薄暗く、また、どことなく昭和を感じさせる雰囲気があります。

 発展途上国を訪れたときに、物売りをする小さな子どもがいますが、ニューヨークの地下鉄でもホームや車内で見かけることがあります。チョコレートや果物などが詰まったボックスを持って、少年少女や、赤ん坊を背負ったお母さんなどが販売しているのです。

「Don't be someone's subway story」。変な行動をするなというMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ)の車内広告【写真:ユキ】
「Don't be someone's subway story」。変な行動をするなというMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ)の車内広告【写真:ユキ】

 このような車内販売や、前述したパフォーマンスなどの行為、大きな荷物などの持ち込みは、禁止行為とされています。罰金もあるのですが、あまり効力を発しているようには思えません。

 さらに最近では、走行中の電車の屋根に登り、そこを渡り歩く「地下鉄サーフィン」という危険行為が問題になっており、死者も出ています。

 さて、そんななか、2024年2月に川崎重工業グループ会社製の新型車両「R211T」が導入されました。日本では一般的によく見られる貫通路(車両間を移動するために連結部分にもうけられた通路)があり、車両の連結部分から乗客が電車の上によじ登れないようになっています。

 スタイリッシュで機能的なこの車両は、ニューヨークの昭和な地下鉄に令和の風が吹き込んでいます。川崎重工が、ニューヨーク市から地下鉄車両を最初に受注したのは1982年のことで、今では地下鉄車両のシェアトップになっています。今回の新車両導入は、技術的な信頼を得てきてのことでしょう。

 こういった地下鉄での様子を見るに、日本人の持っている技術や規律正しさは、日本人が考えるよりずっと高く海外で評価されている気がします。

(ユキ)

ユキ(ゆき)

都内の出版社で編集者として働いていたが、2022年に妻の海外赴任に帯同し、渡米。駐在員の夫、「駐夫」となる。現在はニューヨークに在住し、編集者、学生、主夫と三足のわらじを履いた生活を送っている。お酒をこよなく愛しており、バーめぐりが趣味。目下の悩みは、良いサウナが見つからないこと。マンハッタン中を探してみたものの、日本の水準を満たすところがなく、一時帰国の際にサウナへ行くのを楽しみにしている。