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日本が「衰退したと考えるより」 ニューヨークのカオスな地下鉄事情から駐夫が感じたこと
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急増する地下鉄での犯罪
地下鉄ではこのような無賃乗車だけでなく、とくに最近、かなり深刻な犯罪が多発しています。
2月には、駅構内でチェロを演奏していた男性が、背後から近づいてきた女性に突然、後頭部を鈍器で殴られる様子がSNSで拡散されました。また、若者の間で発砲事件が起き、死者も出ています。2024年に入り、地下鉄での暴行や強盗などの犯罪件数が13%以上増加しているとのことです(2024年3月現在)。
ニューヨークの州知事も遺憾の声明を出し、対策を発表。在米している駐在員には、大使館などから危険の勧告が出されています。
1970年代から80年代のニューヨークの地下鉄は無法状態で、当時を知る人たちは「あの頃の地下鉄はとても怖くて、夜は電車に乗れなかった。今の地下鉄は安全だろう」とのことです。日本にいるとその感覚が麻痺してしまいますが、安全は得がたいものだなと改めて感じます。
ニューヨークでは、移民や経済格差、ホームレスの問題などが連日のように報道されています。
先日、日本人の約7割が日本は衰退していると感じているという調査結果(「ポピュリズムに関するグローバル調査2024」イプソス株式会社)を見ましたが、そのことをこちらで話すと、あまりピンときていない様子でした。日本は安全で清潔で、秩序だった国だという印象が強いようです。
衰退したと考えるより、なぜこれだけ日本が安全なのかを考えてみてもいいかもしれません。
(ユキ)
ユキ(ゆき)
都内の出版社で編集者として働いていたが、2022年に妻の海外赴任に帯同し、渡米。駐在員の夫、「駐夫」となる。現在はニューヨークに在住し、編集者、学生、主夫と三足のわらじを履いた生活を送っている。お酒をこよなく愛しており、バーめぐりが趣味。目下の悩みは、良いサウナが見つからないこと。マンハッタン中を探してみたものの、日本の水準を満たすところがなく、一時帰国の際にサウナへ行くのを楽しみにしている。