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日本のトイレは“異常に”きれいで先進的 英国の職場で知った衛生観念の違い トラウマ級の出来事とは
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異国で働いてみると、日本では遭遇しないであろうトラブルや、思いがけない珍事件に遭遇する確率が高くなります。ひょんなことから英国に移住、就職し、海外在住歴6年を超えたMoyoさんが、外国暮らしのリアルを綴るこの連載。第9回は、英国で仕事を初めてびっくりした、日本の衛生観念からは考えられない職場環境についてです。
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超有名ビルに入っているオフィスなのにトイレが汚すぎる
英国に語学留学したのち、運良くYMS(Youth Mobility Scheme)ビザを取得した私。自分の経験をいかした仕事をする&語学留学にかかった費用を稼ぐ! という野心もあって、接客業のアルバイトからオフィスワークに転職することができました。
私が働くことになった企業のオフィスは、名の知れた会社がテナントとして入っているビルにありました。同じフロアを共有している会社も、誰もが知っているような名前がずらり。
新しいビル、いつもうっとりするような香りがするレセプション(香り空調システムを使っていたのだと思います)、一瞬にして到着する最速エレベーター……。日本で勤めていた出版社の古風なビルから一転、「これがロンドンの最新鋭ビルなのか!」と感動したものです。
そんなキラキラのオフィスライフでしたが、トラウマになるほど困ったことが……。
それはトイレ。安心して用を足せるトイレに出合うのに、とにかく時間がかかる。トイレブースのドアを5つくらい開けて確認しても難しい。そう、とにかくすべてが汚かったのです。
ちゃんと流れていないのは一目瞭然なのに放置された便器、床に散乱したトイレットペーパー、サニタリーボックスのフタがちゃんと閉まっておらずむき出しになった生理用品など、すさまじい光景が日常茶飯事。どうやったらこういう使い方ができるのかと疑問に思うほどです。
最初はあまりにもびっくりして、「トイレ恐怖症」というシンドロームがあるなら使いたいほど、トイレへ行くのに勇気のいる日々が始まりました。同じ会社の人なのか、はたまた同じフロアの違う会社の人によるものなのか……。真相はわかりませんが、こういう使い方をする人たちと働いているんだなと思うと、少し寂しい気もします。
日本のトイレが“異常に”きれいで先進的なことは有名かもしれませんが、トイレの機能だけでなく、日本人のマナーも素晴らしいのだと思います。ホテルや公共施設だけでなく、こういった人から見えないプライベートなスペースでも、次に使う人のことを考えてきれいに使うことができる。思い返してみても、日本の職場で今回のような事態に直面することはまずありませんでした。
そしてなにより気になったのは、現地の人たちはこの汚さについてどう思ってるの? ということ。よく外国人の同僚とも話しましたが、だいたいの人は肝が据わっており、とくに騒ぎ立てる様子もありません。この問題については、日本人の間で話題にすることが多かったと思います。