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長期休暇に増える空き巣被害 狙われやすい家5つの特徴と被害を防ぐ方法をプロがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

空き巣被害を未然に防ぐために、すべき対策とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
空き巣被害を未然に防ぐために、すべき対策とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 警察庁の統計によると、空き巣被害が多いのは「エアコンをつけなくても快適で、窓を開け放しにしやすい気温」となる10~11月頃。次いで、長期休暇の時期だといいます。ゴールデンウィークや夏休みの旅行中、大切な家財を守るにはどうすれば良いのでしょうか。綜合警備保障株式会社(ALSOK)に、「空き巣を呼び込みやすい家」の特徴と対策についてお聞きしました。

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空き巣に狙われやすい家 5つのポイント

 警察庁のウェブサイト「住まいる防犯110番」によると、空き巣や強盗等を行う犯罪者は、侵入する前に下見を行うケースが多いといいます。このとき確認するのは「お金があるかどうか」「侵入しやすい家かどうか」「逃げやすいかどうか」の3点。つまりこの3点への対策が、大切な財産や人命を守る最初の一手となります。では、どういう家が狙われやすく、どのような家が狙われにくくなるのでしょうか。HOME ALSOK事業部課長の松田博充さんにお聞きしました。

「空き巣や強盗に狙われやすい家には、大きく5つのポイントがあります。まず1つ目は、人通りや周囲に家が少ないなど『人の目が届きにくい』立地であること。犯罪者は人目を気にすることが多いです。人の往来が少ない立地の場合は、防犯カメラなどの設置をおすすめします。

 2つ目は『死角が多い』こと。高い塀で囲まれていたり、植物がうっそうと茂っていたり、庭や家の周りに物が多く視界が遮られているなど、犯罪者が周囲から身を隠しやすい住居は要注意です。とくに戸建て住宅や低層階は気をつけてください。

 3つ目は『防犯対策』がなされているか否か。防犯カメラやセンサーサイトを設置しておくだけで、『この家は防犯意識が高い』と感じ、侵入を避ける傾向にあります。

 4つ目が『近所づきあい』。これは1つ目にも通じますが、周囲の方と仲が良く、何か異常があった場合に気づかれやすい家は、比較的避けられる傾向にあります。現代社会では近所づきあいを避ける傾向がありますが、街ぐるみで対策するのがなによりの防犯になることを覚えておいてください。

 最後はやはり『カギ』。外出時のカギのかけ忘れは、空き巣にとって『侵入してください』と招かれているようなもの。すべてのドア・窓をチェックし、カギの閉め忘れがないか確認しましょう。大きい家にお住まいの方は、門扉にカギをつけるのも良いと思います。

 また、たとえ在宅していても、夜間はすべてのカギをかけましょう。とくに夏場、暑いから、夜風が気持ち良いから……と窓を開けて寝てしまうと、侵入強盗に大切な家族を傷つけられる可能性が高まります。エアコンなどを活用し、必ず窓を閉めるようにしてください」

被害を防ぐため、生活の中で注意すべき点は?

 松田さんは、空き巣や強盗の標的にならないため、日頃から気をつけるべき点があるといいます。

「家の周囲に物を置かない、はしごや脚立など犯罪者の侵入を助けるようなものを出しっぱなしにしない。これは鉄則です。また、家のすぐ近くに電柱がある場合は『忍び返し』と呼ばれる、塀やベランダなどに設置するとがった鉄棒などの防犯対策グッズを設置しましょう。エアコンの室外機に上ると窓に手が届いてしまう場合も、同様の対策が有効です。

 なお、カーテンを閉めて部屋の中が見通せない状態にしておくことも、防犯の一助になります。家の中の様子が『わからない』のは、空き巣にとって不利な状況。普段からカーテンを開けっぱなしにせず、犯罪者にとっての“不安要素”を残しておくことが大切です」

 このほかにも、植木をきれいに剪定しておく、庭にゴミを放置しないなども、犯罪者が「しっかりした意識を持っている家」と感じ、侵入をためらう可能性が高まるといいます。

「残念ながらこうした犯罪に対し、『絶対に安心!』という対策はありません。毎日の暮らしの中で目を光らせ、家族みんなで防犯を意識することが、セキュリティを強化し、家族や住まいから犯罪者を遠ざける最善策になります。ご家族みんなで話し合い、常に防犯意識を持って過ごすことを徹底してみてください」

(和栗 恵)