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「なんであの日本人はあんな行動をしたんだろうって疑問だらけ」 フランス人女性が日本の魅力を発信するワケ
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日本についてもっと深く知ってほしい アマンディーヌさんが企画に込めた思い
現在のふたりのYouTubeをみると、コンテンツの内容が少し変わっていることに気づきます。「1年ぐらいになるかな。ちょうど初訪日密着系の動画を撮り始めたのは」とアマンディーヌさん。
「実は日本って、昔と比べると、今はフランス人にとって定番の旅行先になっているんです」
以前ならば、アメリカやイギリスで休暇を楽しむ人が多かったそうですが、日本についてあまり知らなくても、「周りが行くから私も行こうかな」「流行っているから行ってみようかな」という感じで、日本を旅行する人が増えているといいます。
「ただ、日本とフランスって本当に文化が全く違いますし、言葉も通じないですよね? なので日本に行って、知られている観光スポットしか見学しない、定番の場所で写真だけ撮る、有名な日本食を食べるだけで、日本の文化について何も理解しないままの人も多いんです。おそらく、『なんであの日本人はあんな行動をしたんだろう』って疑問だらけでフランスに帰ってしまうわけです」
そこでアマンディーヌさんは、日本についてもっと深く知ってほしい、リアルな日本を楽しむ体験をしてほしいと思い、現在の初訪の日企画を始めたそうです。
企画のスタートこそ、アマンディーヌさんの母がリアルな日本を楽しむ体験者として登場していましたが、その後は、ただ単に日本を旅行したいという人ではなく、日本で叶えたい夢や日本と強い縁を持つフランス人を応募で決定。アマンディーヌさんが自ら交渉し、リアルな日本を体験できる場を提供しています。
「なぜ、この企画に応募したのか。参加者に聞くと、みんな同じ答えなんです。日本にひとりで旅行に行っても何もわからないし、日本について何もわからないまま帰国することになる。観光スポットに行くよりも、リアルな日本を知って、日本人と関わりたいと。リアルな日本を体験できたことで、みんな自然と笑顔になることが1番うれしい。この企画は無駄じゃなかった、誰かの役に立てているんだなって思えてうれしいんです」
始めた頃は、表に出ることが苦手なことから「私とYouTubeって真逆やん」と感じていたというアマンディーヌさん。やり続けることで慣れた今では、動画内の自分を見ても「違和感はない」ときっぱり。フランスに帰ると、昔を知る人たちから「前向きに人と話せるようになったね」と声をかけられるそうで、YouTubeのおかげで自分自身も変わることができたとうれしそうです。
フランス生まれのフランス人。10歳以上も歳の離れた兄の影響で、1歳の頃から日本のドラマや音楽を観聴きし、情報や文化に触れ、日本に興味を持ち始める。2015年、16歳のときに1か月間、ホストファミリーの家で暮らしながら日本の語学学校に通う。その後、2018年に日本の大学へ1年間の交換留学。そこで、のちに夫となるゲントクさんと出会い、結婚。2021年に、夫のゲントクさんと一緒にYouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」を開設。現在は、登録者数60万人を誇る大人気チャンネルに成長している。
(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)