からだ・美容
機能性成分「プロテオグリカン」って何? 美容効果が注目される理由とは 皮膚科医が解説
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教えてくれた人:高瀬 聡子
「その成分、本当に効果ある?」――最近よく聞く、話題の美容・健康成分は本当に効果があるのか医師が解説します。今回のテーマは、ひざの関節の動きをサポートするサプリや、肌のハリ弾力ケアをする化粧水などのパッケージでよく見かける「プロテオグリカン」について。皮膚科・美容皮膚科の医師である高瀬聡子先生(※「高」ははしごだか)に、詳しくお話を伺いました。
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プロテオグリカンってどんな成分?
「プロテオグリカン」とは、ヒアルロン酸やコラーゲンのように、人間や動物の皮膚や軟骨などに存在している糖タンパク質の一種です。プロテオは「プロテイン(たんぱく質)」のことで、グリカンは「多糖」を意味します。
近年は、サケの鼻軟骨から抽出できるようになり、多くの化粧品やサプリメントなどに配合されるようになりました。
プロテオグリカンはとくに保水力に優れていることから、肌への美容効果が注目されており、ハリやツヤをもたらすほか、シワやたるみの改善効果に期待が寄せられています。
肌にとってプロテオグリカンはどんな役割がある?
肌にとってプロテオグリカンは、どのような役割があるのでしょうか。
まず知っておきたいのは、肌の弾力をつかさどる肌の内側にある真皮という部分の状態が、肌のハリやツヤのカギになるということ。
真皮の細胞の隙間を埋めている細胞外マトリックス(以下、ECM/EXTRA CELLULAR MTRINXの略)と呼ばれる物質が、ヒアルロン酸やコラーゲン、プロテオグリカンなどの成分で満たされていることで、肌の弾力が保たれ、また水分を保持してハリやツヤのある状態になるのです。
そのため、プロテオグリカンは真皮の状態を左右する重要な役割を担っているといえます。
プロテオグリカンを摂取するとどんな効果が期待できる?
では、プロテオグリカンを経口摂取することで、どんな効果が期待できるのでしょうか。
経口摂取すると、先に説明した、真皮のECMにある繊維芽細胞という細胞を刺激して、美容成分を作り出すことが期待できます。繊維芽細胞にアプローチし、ECMを満たす成分を作り出すことで、肌の弾力および水分量がアップし、ハリやツヤのある肌になるでしょう。
実際に2週間、毎日5mgのプロテオグリカンを摂取したことで、肌の弾力がアップした研究結果もあります(※)。
※Takahashi T et al., Immun. Endoc. Metab. Agents Med. Chem. (2015)より
美肌づくりに有効なそのほかのインナーケア成分
プロテオグリカンだけでなく、美肌成分を増やすためにはヒアルロン酸、コラーゲンも含めた3つの成分を意識して、サプリメントなどで摂取するのがおすすめです。どれも真皮を構成する美肌成分の一つですが、それぞれに役割があります。
ヒアルロン酸は、多くの水分を蓄える機能があり、細胞のみずみずしさを保つ働きが。コラーゲンは、一つひとつの細胞同士をつなげる働きにより、細胞を支えて肌に弾力を与えます。
プロテオグリカンは、お伝えしたように、水分を抱え込みつつ、これらを作る繊維芽細胞の生成を促すことがわかっています。
この3つ以外のおすすめの成分としては、肌の補酵素である「ビタミンB」や、抗酸化・抗炎症成分である「ビタミンC」があります。どちらも体内で作ることができないため、サプリメントから摂ると良いでしょう。
プロテオグリカンは、ヒアルロン酸やコラーゲンとともに、肌にとって重要な役割を担っていることがわかります。プロテオグリカンが含まれる化粧品やサプリメントを積極的に取り入れて、ハリ・ツヤのある若々しい肌を目指しましょう。
(Hint-Pot編集部)