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「どうしてこのような構造に?」 大きく開いた口から飛び出す上アゴ 珍しい深海魚に衝撃
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不思議な姿や特徴を持つ深海魚。深海300メートルに住む珍しい小型のサメ、ワニグチツノザメをご存じですか? 目を見開いて、大きな口から飛び出す上アゴ。その姿がまるでエイリアンのようだと、X(ツイッター)で話題になっています。普段から珍しい生き物の透明標本を制作している、投稿者のMagi(@Magi_clear)さんに詳しい話を伺いました。
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大きく開いた口から飛び出す上アゴ
「ゴブリンシャーク(ミツクリザメ)と同じアゴを持つワニグチツノザメ
深海にはまだまだ不思議な生き物がいっぱい、、、」
話題になった投稿には、1本の動画と2枚の写真が添えられています。そこには、ブルーの瞳と、紫がかった深いネイビーのボディのワニグチツノザメという深海魚が。
動画では、ワニグチツノザメの頭とアゴ下部分を持つと、口が大きく開きます。そして、そこから上アゴの骨が飛び出してきたのです。なめらかに出入りする上アゴは、とても衝撃的。写真には、口を閉じた状態と、上アゴが出た状態がそれぞれ写っています。
この投稿には4.1万件の“いいね”が。リプライ(返信)には「どうしてこのような構造になったんだろう?」「かわい~って思ったらめっちゃ口開いてビビった」「のちのエイリアン」「なんか逆に食べにくそうだ」「別の生き物が出てきたみたい……」「入れ歯がはずれたみたい!」「深海魚って不思議と見たくなる」など、驚きの声が寄せられています。
口を開けたときに上アゴがはずれるのは捕食のため
「透明標本」という、生物の骨を染色し、たんぱく質を透明化した骨格標本を作っている投稿者のMagiさん。話題になったワニグチツノザメは、駿河湾の底引網で混獲された深海魚をその日のうちに発送してくれる「深海魚直送便」というサービスで購入したそうです。
ワニグチツノザメは、深海300メートルほどに住む、体長30センチほどの深海魚。捕獲されることが少なく、目撃されるのもまれです。Magiさんによると、上アゴの骨がはずれる特徴的な捕食方法も非常に珍しい特徴だといいます。
「上アゴがはずれるのは、本種とミツクリザメくらいです。ワニグチツノザメは、頭蓋骨と上アゴの骨が分離しており、骨と筋肉によってアゴが射出されます。これをパチンコ式採餌ともいいます」
Magiさんは、このワニグチツノザメも透明標本にしました。実物は7月20日(土)と21日(日)に東京・科学技術館で開催される「博物ふぇすてぃばる」で展示される予定で、実際に間近で見ることができます。不思議がいっぱいの深海魚。ワクワクが止まりませんね。
(Hint-Pot編集部)