その3：結ばずできる「カルタ結び」

　こちらは「結び」といっても、実際は結ばないで仕上げるスタイルです。背中側がぺったんこなので、椅子に座っても帯が邪魔にならないのがうれしいポイント。硬い帯を結ぶのが大変なときも便利です。帯締めをすると崩れ防止＆着こなしのアクセントになるので、ぜひ合わせてみましょう。

○プロセス

1. 左手側の帯を、ふくらはぎの高さくらいまで垂らし、胸紐か伊達締めにクリップで留めて残す
2. 右手側から帯を巻いていく。1周巻いたらクリップを左下側に留め直すと、巻きやすい
3. 2周巻いたら右脇で帯の下側を持ち、しっかり引き締めてから、クリップをはずす

4. 巻いてきた帯を左脇まで持ってきたら、1で垂らして残していたほうの帯の端を、胴に巻いた帯の上から入れ込んでいく
5. 入れ込んだ帯を下へ引き抜く
6. ゆるみがないように、しっかり下に引いておく

7. 巻いてきた側の帯を、左手で押さえながら右方向に折り返す
8. さらに正面でパタパタと折り返して、長さを調整する
9. 下に垂らしたほうの帯を、再び8で折り返した帯の上から入れ込んでいく

10. ゆるみのないように、しっかり下に引き出す
11. 引き出した部分が長い場合は、内側に折り返して調整する
12. 帯締めを通して、背中側で仮結びし、帯を回してから結び直せば完成

　帯結びのバリエーションが増えると、浴衣を着るのがもっと楽しくなるはず。この夏はあなたもチャレンジしてみませんか。

（橘川 麻実）