からだ・美容
更年期のホットフラッシュ緩和に 摂っておきたい身近な食材とは
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汗腺を引き締める酸味と、熱を冷ます苦味を取り入れて
ホットフラッシュで暑がり傾向にあり、夏になるとよりつらさを感じる更年期の人は、味の効能による食養生を取り入れてみてはいかがでしょうか。
薬膳において、飲食物には酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(かんみ)の五味いずれかが備わっており、それぞれの味の特性が体や心の不調に働きかけると考えられています。
たとえば、酸味には汗腺を引き締める収れん作用があり、必要以上に汗や尿、便などが排出されるのを防ぐ味とし、多汗、寝汗、頻尿、下痢といった夏に起こりやすい不調に良いといわれています。また、汗とともに失われる体のエネルギーである気の放出も防ぐので、夏バテ予防にも期待できるでしょう。
酸味の食材には、梅やレモンなどの果実類、酢、ヨーグルトなどがあります。梅シロップジュースやレモン果汁に気を補うハチミツを入れてドリンクにしたり、ヨーグルトに気血を補う桃を加えてスムージーにしたりすると、よりバランスが整っておすすめです。
また、苦味は解熱、消炎、利尿、解毒の作用で体内の熱を冷まし、ほてりやのぼせをやわらげ、湿気によって溜まった体の余分な湿や水分を取り除く特性があると考えられています。
苦味のある食材にはセロリやレタス、緑茶などがありますが、夏の代表的な食材といえばゴーヤーです。旬の食材には、その季節に取り入れたほうが良い効能が備わっていることが多いもの。ゴーヤーは苦味の効能のほかにも、五臓のなかで夏に影響を受けやすい心にも働きかけることが期待されています。
酸味と苦味を一緒に摂れる、ゴーヤーとクコの甘酢漬け、ゴーヤーとセロリの梅ドレッシング和え、ゴーヤーの卵とじなどは簡単にできる一品です。苦味のあるゴーヤー料理は苦手な人も多いですが、「良薬は口に苦し、苦味が不調を改善してくれる」と思って口にしてみてください。
(かみむら 佳子)
かみむら 佳子(かみむら・けいこ)
大学卒業後、ハウスメーカーの営業職にて勤務後、28歳でフードコーディネータースクールに通い、アシスタントを経て独立。35歳で第2子流産後に続いた体調不良をきっかけに、薬膳を学び始める。「あなたスタイル薬膳RKazen」を主宰し、身近な食材で手軽に養生を実践する簡単薬膳や中医学の指導、セミナーなどで活動中。