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日本の常識は通用しない イギリス暮らしのゴミ処理事情 日本人女性が驚いたこととは
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食品ロス防止に力を入れるイギリス
フードウエストとは、キッチンから出る生ゴミ全般を指します。野菜をむいた皮やティーバッグ、肉や魚、卵、パン、食べ残しなどを専用の袋にまとめて入れます。これらのフードウエストを一般ゴミに入れることはできません。その逆も然りです。
このフードウエストを入れる袋は、自然に還る生分解性のものでなくてはいけないため、一般的なビニール袋の利用は厳禁。ちなみに、この袋はカウンシルに取りに行けば無料でくれますが、2~3ポンド(約400~600円)出してスーパーなどで買うこともできます。
フードウエストのボックスはキッチン横などに置ける小さめサイズと、回収用の大きめサイズの2種類があります(カウンシルによって違います)。私が住んでいたカウンシルでは、小さめサイズのボックスに薄い生分解性袋を取りつけ、満杯になったら袋を縛って回収用の大きめサイズのボックスに移動。
そして、回収日にはこの大きめサイズのボックスだけを外に出しておきます。ボックスの内部がすぐに湿気てしまい、生分解性だからか破れたり、臭いもきつくなったりするのが厄介でしたが、キッチンペーパーをボックスの下に敷いておくとだいぶ改善されました。
イズリントンカウンシルの公式ウェブサイトによると、イギリスでは全食品廃棄物の70%が家庭から排出されており、家庭で捨てられる660万トンの食品のうち450万トンは食べることができたという試算を発表しています。このうち、毎年71万トンにも上るジャガイモが家庭から廃棄されているとは驚きです。
私が住んでいたカウンシルでも、2030年までにカーボン・ゼロ行政区になることを目指して、いろいろなガイドを住民に配っていました。さらに国全体で、カフェやレストランの賞味期限切れの食料や生鮮食品を安く手に入れることができる「Too Good To Go」や、不要になった食料(それ以外のアイテムも可)を無料で渡す・探すことのできる「Olio」といった、さまざまな新規サービスが台頭しています。フードウエスト削減への姿勢は、日本に住んでいたときよりも身近なものになりました。
気候などの違いもあるので一概には言えないですが、日本も食料ロス対策などについて、イギリスの取り組みを導入できる部分があるかもしれません。すでに廃棄物削減の取り組みについて世界的に評価されている、そしてこれまでも細かな分別方法を徹底している日本を誇りに思いつつ、あと少しのプッシュが必要な時期なのかもしれませんね。
(Moyo)