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「“泳げる”ことと“溺れない”ことは違う」 水の事故を防ぐために知っておきたいこととは
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まだまだ暑い時期、レジャーで海やプールへ行く人も多いでしょう。そうしたなかで気をつけたいのが水の事故です。安全に水遊びを楽しむため、知っておきたいポイントについて、水辺の安全を守る活動に携わる日本ライフセービング協会の高野絵美さんにお話を伺いました。
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海など水辺のレジャーへ行く前に知っておきたいポイント
――今の時期、海やプールなど水辺で遊ぶ人が多いです。そのなかで怖いのが、水の事故。安全に楽しむには、どういう点に気をつければ良いのでしょうか。
「私たち日本ライフセービング協会は、みなさんが海やプールで溺れるといった“危険”を感じることなく、水辺で安全に楽しんでいただくために活動しています。そのために、どうすれば水辺で溺れないのか? さまざまなことに気を配っていただきたいです。
まず、自分の命を守れるのかを情報として『知る』こと、知ったことを実践できるように『身につける』こと、そして実際に海やプールに行ったときに、それらを実践して『行動する』こと。これら『3つのステップ』を行っていただきたいと思っています」
――「知る」「身につける」「行動する」それぞれについて、もう少し詳しく教えてください。
「より具体的な内容を次の『5つの行動』として、お伝えしています」
1. 情報:遊びに行く先の天気予報を確認し、気温や波の高さ、風の強さや向き、注意報などを確認する
出かける前に現地の天気予報をチェック。天気はもちろんのこと、波の高さや風の強さ、注意報・警報が出ていないか確認してください。
2. 周知:誰とどこの海に出かけるのか、家族に伝えておく
家を出るときには、万が一に備えて家族に「誰と」「どこに」行くのかを伝えておきましょう。
3. 装備:紫外線対策や熱中症対策、そして海に行く場合は、体のサイズにあったライフジャケットを用意する
水辺は日差しが強いうえに屋根がないところも多いため、日焼け止めやサングラスなどの紫外線対策、飲み物などの熱中症対策は必須です。海に入る際はライフジャケットも用意してください。
4. 観察:海に着いたらすぐに入水せず、周囲の状況を確認・観察する
海に着いてもすぐに入水せず、まずは遊泳エリアかどうか確認。さらに5~10分ほど、事前にチェックした天気予報を踏まえつつ、風の量や風向きを観察します。離岸流など危険な場所がわからなければ、現地のライフセーバーに聞くのもおすすめです。災害に備えて、津波の際の避難経路も確認しておくようにしましょう。
5. 利用:家族やグループで来ているとき、誰かは海に入らないでキープウォッチ(目を離さない)する
遊び始めてからも、全員で泳がずに誰かは陸地から仲間を見守ってください。小さいお子さんと海に入るときは、キープウォッチし、保護者の手が届く範囲で遊ばせることが大切です。海の中では、大人が沖側に立つようにしてください。