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「“泳げる”ことと“溺れない”ことは違う」 水の事故を防ぐために知っておきたいこととは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

知ってほしい「水辺の安全10ヶ条」 浮き輪を使うなら「ロープ」付きを

ピクトグラムを用いてわかりやすく注意喚起している「水辺の安全10ヶ条」【画像提供:日本ライフセービング協会】
ピクトグラムを用いてわかりやすく注意喚起している「水辺の安全10ヶ条」【画像提供:日本ライフセービング協会】

――「海の中では、大人が沖側に立つように」など、具体的で実践的なポイントですね。

「より詳しい、『水辺の安全10ヶ条』も用意しています。こちらは『飲んだら泳がない』『足の届くところで遊ぶ』といった、実際に水辺で守ってほしい10のポイントを、わかりやすいイラスト付きで表現しました。遊びに行く前に、一度見ていただければと思います」

――自分や仲間、家族の身を守るために、事前準備から現地での行動で、気をつけることがたくさんありますね。また、海などではライフジャケットの着用が重要なのだとか。

「自分の体から離れない浮き具は、ライフジャケットになります。水の事故から命を守るためにも、必要なアイテムです。ただ、子どもなどには海で初めて着用し、そのまますぐ遊ぶ……は、かえって危険なことも。事前にお風呂やプールで『仰向けに浮く方法』などを試しておくことが大切です。

 また、サイズが合っていなかったりベルトがゆるかったりすると、いざというときに脱げてしまうおそれもあります。体にフィットするようベルトはしっかり締め、子どもには大人が着せてあげるようにしてください」

――ライフジャケットと同じく「浮力を増す道具」には、浮き輪があります。海やプールでは浮き輪を使って遊ぶ人も多いですが、選び方など気をつけるべき点はあるのでしょうか。

「今、流行りの大きいフロートなどは、少しの風でも沖に流されてしまいます。浮き輪の形状であれば流れにくくはありますが、おしりだけはめて寝そべるタイプは、早いスピードで流されがちです。陸から沖に向かって風が吹いている日は使わないなど、きちんと判断するようにしてください。

 そうした道具を使う際は、リーシュコードと呼ばれるロープをつけるのがおすすめです。子どもが使用する際は大人がロープを掴んでおけば流される心配がありませんし、大人が使用する場合も、浮き輪などが体から離れてしまったときすぐ回収できます。もしリーシュコードがない場合は、浮き輪に通す形でロープを入れて使う方法もおすすめです。もちろん、浮き輪があるからと油断せず、足がつかないところまで行かないのが一番大切です」

意外に見落としがちな考え方も…

片手を上げて大きく振る「助けてサイン」【画像提供:日本ライフセービング協会】
片手を上げて大きく振る「助けてサイン」【画像提供:日本ライフセービング協会】

――十分に安全を意識していても、“万が一”が起こるのが水辺の怖いところです。もしも、沖に流されている……など、身の危険を感じた場合は、どうしたら良いでしょうか。

「水の中で不安を感じたら、これくらい大丈夫と思わず助けを求めてください。浮力を確保した状態で片手を大きく振る『助けてサイン』を出す、近くの人に声をかけるなど、早めに周囲に対して救援サインを出すことが大切です」

――救援サインに気がついたとき、取るべき行動は?

「二次的な事故を防ぐためにも、気がついたらライフセーバーに通報するなど、自分が水に入らないで助ける方法を取ってください。声をかけて落ち着かせる、掴まれるものを投げてあげるといった、自分の安全を確保したうえでできる行動を取っていただければと思います」

――水辺の事故を防ぐために、意外に見落としがちなポイント。かえって事故を招いてしまう考え方のようなものは、ありますか?

「『“泳げる”ことと“溺れない”ことは違う』というのを忘れないでください。泳げるから安心、泳げるから溺れない……なんてことはありません」

 穏やかに見えていても、急に大きな波や流れが危険を運ぶこともあります。自分は大丈夫と過信せず、安全に水のレジャーを楽しめるよう、十分注意しましょう。

(Hint-Pot編集部)